愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 フエへ


ベトナム3日目、古都フエへ。フエはベトナムの中部にある、阮朝の都だったところ。飛行機で1時間で行ける。滞在が1泊だったので、早めに行こうと思って6時過ぎのフライトを予約したため、ものすごく早起きをする羽目に。これもまた、病身には辛かった・・・が、移動となると意外と元気になるのが不思議。


ホテルをチェックアウトしたのが朝4時半。外はまだ真っ暗、昼夜かまわずバイクや車の喧騒でうるさいサイゴンの街も、この時間は「比較的」静か。こんな時間にタクシーが見つかるのか・・・と心配していたら、ちゃんとホテルの前に客待ちのタクシーが停まっていた。ドアマンの兄ちゃんが荷物運びを手伝ってくれ、タクシーの中を覗き込むも運転手がいない・・と思ったら3メートルほど先にある屋台で、他のタクシー仲間とたむろっていた。


朝4時半のサイゴンの街は、店のシャッターはほとんど閉まっていて、閑散としているのに、ところどころ屋台や食べ物屋のシャッターが開いており、そこでお客さんが普通に飲み食いしていたり、ビールを飲んで談笑していて、暗い中でそこだけ電気がぼーっとついている。何かの店先では、おばちゃんが普通にほうきでもって掃除をしていた。なぜ、こんな時間に・・・。タクシーから外を見ていると、真夜中に、昼間にやりそうなことを普通にやっている人が、まるでシューティングゲームでいきなり現れる民間人のようにちょくちょく出現するので、なんだかシュールな気分になる。そのうち、ガイドブックを片手にうろうろしている外国人観光客まで出現するのでは、と思ってしまう。政府関係らしい建物の守衛室でも、守衛さんが結構びしっと一人で座っていた。この時間、誰も来ないだろうになぁ。


フエまでは、ベトナム航空で行った。この国内線のチケットを取るシステムがちょっとけったいだった。ベトナム航空のウェブサイトに、アメリカ在住者向けのオンライン予約ページがちゃんとあったので、最初はアメリカにいる間にチケットを取ってしまおうと思った。まずウェブサイトでフライトを選択して、私や旦那の情報や住所、パスポート番号まで入力して、後は支払い。普通のオンライン予約だったら、次にクレジットカード情報を入力するはず、とクリックすると「ベトナム国内のベトナム航空オフィスにて24時間以内にお支払いを済ませてください」と出た・・・!!うーん、オフィスに行きたくてもまだサンフランシスコにいるのでとても無理。


どうやら国内線のチケットは、ベトナムに着いてから、現地の代理店やベトナム航空のオフィスで買ったりする場合が多いらしい。でもタイトスケジュールで動いているので、フライトがいっぱいになっていて現地でチケットが取れない・・・なんてこともいやだし、アメリカにいる間にチケットを押さえることができないのかなあ、と思っていたら、ベトナムにある日系の旅行会社がオンラインでの予約を受け付けていたので、そこでお願いすることにした。


最初はオンラインの申し込みフォームに、希望するフライト情報を入力して、後は全部メールでやり取りした。本当に、名前とフライト番号ぐらいを伝えただけだったが、すぐにチケットを押さえてくれ、ベトナムに着いたらオフィスに行ってピックアップすればOKだった。支払いもその時に、ということだった。申し込んだ時も、別に住所やクレジットカード番号を聞くわけでもないので、逆にこっちが心配になったが、ベトナムではホテルの予約をする時もそんな感じで、手続きの仕方もなんだかのんびりしている感じだった。オンライン決済というのもまだ一般的ではないのかもしれない。


フエ行きのフライトはベトナム航空の始発だったのか、カウンターが開いておらず、空港の中にもしばらく入れなかった。空港の外に待合用のベンチがだーっと並んでいて、みんなそこで待っていた。国内線向けの空港はちょっと古くて、旦那曰く、ベトナム戦争時にアメリカ軍が使っていたところなんだそうで、ちゃんと手入れして使ってるんだなぁと妙に感心していた。


フエ行きの乗客は、ベトナム人と観光客が半々ぐらい。家族旅行らしいベトナム系アメリカ人の家族もいた。やっぱり服装や体格が他のベトナム人と違う。子供たちは英語でぎゃーぎゃーしゃべっている。フライトは、アメリカの国内線でも使っている比較的大きめのエアバスで、機長はイギリス人かオーストラリア人だかだった。アナウンスも国内線だけれどベトナム語と英語だった。


サイゴンは南なので、冬でも30度ぐらいの気温があるけれど、中部のフエに行くとちょっと肌寒くなって、長袖が必要になる。また冬は雨季で結構雨が降るらしく、空もどんより曇り空。着陸までの降下も、今までにないほど時間がかかって、ちょっと揺れた。ちょっと揺れたら、隣に座っていたベトナム人のおばちゃんが静かにパニクり始め、バッグから携帯を出してどこかに電話をかけようとするそぶりを見せたので、私はそっちにパニクりそうになった。


ベトナム人にとっては寒いかもしれないフエも、私達にとっては薄い長袖を一枚羽織ればちょうどいいくらいで、とてもすごしやすい感じ。でも現地の人は、マフラーを巻いたりしている。空港には、予約しておいたホテルの人が迎えに来てくれた。


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フエの街はサイゴンに比べるとのどか〜で、建物もごみごみしておらず、大きな家も多い。バイクや自転車が交通手段というのは変わらず、やっぱりバイクはぶんぶん走っていたけれど・・・・。


私達のホテルは、繁華街からちょっとだけ離れた場所にある、比較的新しいホテル。だいたい有名なホテルは、王宮の比較的近くに集まっているので、地の利には欠けるけれど、自転車を貸してくれたりするし、タクシーもすぐ来るので問題ない。ここもTripAdvisorの評判が良かったので決めた。40ドル以下で、バルコニー付のなかなか良いお部屋に泊まれた。お笑いのオードリーのボケのほうの人と、トミーズの雅を足して二で割ったような顔をした支配人の兄ちゃんがものすごく気を配っていて、朝8時頃に着いた私達もすぐチェックインさせてくれた上に、最上階にあるレストランにも連れて行ってくれ、朝食まで食べさせてくれた。ただ、一度「オードリーの春日」と思ってしまったため(本当はそんなに似てないのに)、なんとなく笑ってしまって、顔をちゃんと見れなかった。