愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 いよいよ明日。


大統領選挙。そういえば、4年前の今頃、選挙権のない私は、せめて何かできることはないかと、ケリーさんを支持するランナー達と走る・・という活動に参加するためにジョギングを始めたのだっけ・・・。この4年間、自分の生活があまりに大きく変わったので、ブッシュの再選は遠い遠い昔のよう。再選が決まったとき、旦那はあまりに落ち込みすぎて、「となりのトトロ」を見てなんとか現実逃避をする・・・という行動に出たのだった。旦那に言わせると、「ノーモア・トトロ」なんだそうだ。


ワシントンにいた頃に比べて、ほとんど政治ニュースを追わなくなってしまったというか、テレビや新聞に費やす時間も減ってしまったので、自分でも驚くほど両候補アジェンダを良く知らない。でもベイエリア在住だし、特にシリコンバレーの20代のワカモノに囲まれて仕事をしているので、周囲の雰囲気はオバマ一色といった感じ。Facebookでのメッセージやら、オバマをサポートするパーティーやら、なんやかやとワカモノ達が選挙関連のイベントをやっている。やっぱりアフリカンアメリカンの友達はアツくなってる人が多いかも。


ケリーさんの時は、せいぜいインターネットで献金するくらいだった旦那も、今回は何かしなきゃ、と思ったらしく、週末からオバマの選挙事務所みたいなところで、電話をかけるボランティアを始めたりしている。ダウンタウンのオフィスに100人ぐらい集まって、自分の携帯電話やIP電話を使って、フロリダとか、ノースカロライナとかの有権者に、投票に行きましょう!正しい投票所はここですよ!みたいな電話をするんだとか。激戦区では、違法すれすれというか、完全に違法な選挙活動もあるらしく、間違った投票場所を教えたり、前科がある人は投票できないとかウソの情報を流して、投票させないようにする・・ということもあるんだって。しかし激戦区の住民は毎日の電話攻撃にうんざりしてるようで、結構留守電だったり、「またか!」みたいな反応も多かったよう。


「またか!」といえば、我が家にも選挙関連の電話がじゃんじゃんかかってきて、かなりうんざり中。これは大統領選挙がらみというよりは、これにあわせて行われるカリフォルニア州やサンフランシスコ市関連の市民投票に関するもの。同性愛者の結婚を禁止するもの、家畜虐待を禁止するもの、カリフォルニアに新幹線を引くだ、発電関連の何だ、と色々あるのです。最近サンフランシスコのゲイの音楽団体の手伝いで、フルートを吹いたりもしているのだけれど、そこでもやはり同性愛者の結婚禁止に反対するためのデモやミーティングの話がたくさん出ていた。誰かと寄り合うと何かしらそんな話になる。


そしてさらに、サンフランシスコでは地区の「スーパーバイザー」の選挙もある。これは・・・区長さんか市議会議員選挙みたいなものなんだろうか?お店にも、だれだれをサポートしてます!なんていうバナーがいっぱいはってある。サンフランシスコなんて狭い都市だから、候補者が朝からそこらへんをうろうろしている。そして毎日のように選挙のチラシが山のように郵便受けに入っていて、もううんざり。特に我が家は、ラストネームが「陳」なので、広東語と北京語で録音したメッセージの電話ががんがんかかってきたりするのもたまらん。候補者のテレビCMもあるのだけれど、あまりにもローカルすぎる上に、つくりがあまりに素人で、逆効果・・・なんてことも。コワモテのチャイニーズのおばちゃんの候補者の顔を、こんな質の悪いカメラでアップでとっちゃいかん!!!さらに中傷合戦もいっぱしにやったりする。今朝も家のドアやら電信柱にそんなチラシがはってあって、あーあ。うちの地区からは、チャイニーズアメリカンの兄ちゃんが立候補していたけれど、あまりにチラシや電話がしつこいので、逆に我が家では「うざい野郎」としか見られなくなっていて、これもまた、逆効果。


同僚はほぼ100%オバマサポートだけれど、意外に私の周囲には負け院派もいる。それは自分の持っている仕事の関係だったり、中にはヒラリーを強烈に支持するあまり、オバマ候補に選ばれたことに腹をたて、負け院サポートに寝返ったという子も・・・(爆)。友達グループの中でもかなり政治的観点が違うので、結構議論になってしまったこともあり、それでなんとなくみんなで集まるときには政治の話は遠慮する雰囲気が出てきてしまった。そんなこんなで、いつもなら、友達で集まって選挙の結果を見よう!ということになるのだけれど、今回は、集まらないことになった。


明日が終われば、いろんな騒ぎが終わる。今日は普通の一日だったけど、なんとなく明日へのわくわく感もある。明日は選挙に行くために、会社ではミーティングを一日設定してはいけない日になってしまった。まあ、私には関係ないんだけれど。でも明日が終わって、オバマが選ばれたとしても、それでめでたし、というわけではないだろうな。