愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

セレブなシンフォニー!


サンフランシスコはユニオンスクエアの高級デパート。ウン十万円するものすごい高級なドレスやバッグや靴・・・。行く度にげげっ!こんなぴらぴらな服に50万?!、こんなんどこの誰が買うんだろう・・・どこに着ていくんだろう・・なんて思っていたのですが、そんなモノばかりを身に着けている人々が集まる場所に潜入!するチャンスが棚から降ってまいりました。それも「サンフランシスコ・シンフォニーのオープニング・ガラ」。ナパ旅行記を書いてしまったので日付がずれちゃったけど、9月3日のデービスホール。マイミクなつみさんがチケットをゲット、急遽いけなくなった旦那さまのピンチヒッターとして私を誘ってくださって、参加するタナボタ式栄誉?にあずかることになったのでした。うきゃー!こんな機会、もう二度とないかも~。でも「ガラ」って何??


会社が終わったあとなつみさんに迎えに来てもらい、なつみさんの家に寄り、持ってきた結婚式出席用のドレス(笑)に大急ぎで着替え、腹が減っては・・と、なつみさんが用意してくれたご飯(というか点心)をぐわーっとかき込んで、いざコンサートに出発!笑 


サンフランシスコ・シンフォニーの拠点であるデイビス・ホールでは、裏にパーティー用の特別テントが建てられていて、タキシードに蝶ネクタイのおっちゃんや、ずるずると裾を引きずるようなゴージャスドレスを着たおば様達ですでに大盛況。私達は仕事帰りで間に合わなかったのだけれど、コンサート前にここでディナーが供されていたのでした。


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ホールに入ると、ウェイターがシャンペンを配り歩き、さらにカメラマンが飛び回っていて、お客さんたちに「お写真はいかがですか」とばしばし撮っております。ああ、よく地元新聞の社交欄にドレス着た人たちのパーティー写真が載っているけれど、まさしくこれだわ~!何しろそのゴージャスさが半端ではない。若い人たちもそれなりにいたけれど、私たちは集団の中ではかなり小娘!私の安物のアンテーラーのドレスがここではパジャマかジャージに見えてしまう。それはシャンデリアデスカ?というようなイヤリングやネックレスをつけたおば様方・・・多分その宝石でサンフランシスコのコンドミニアムが買えてしまうのでは!?うきゃー、その宝石を一粒でもぽろっと落としてくれないだろうか・・!!まるで孔雀を大量に飼育しているゴージャスな動物園(?!)にいるようで、わーきゃーキレイ、とホールをうろうろしてはお客さんたちのいでたちを楽しんでしまいました。たまーに、あなたは闘牛士?というような変てこハデハデなジャケットのおじさんとかもいましたが(笑)でもその刺繍もものすごかったから、ジャケット自体のお値段は張るんでしょうきっと・・・。それにしてもこういう人たちの職業は一体何なのでしょうね。


Davis Hall


さて肝心のオーケストラですが、もちろんシンフォニーの常任指揮者MTT(マイケル・ティルソン・トーマス)のタクトでシーズン開始です。サンフランシスコに来て今までに何度もシンフォニーには行っているのですが、彼の指揮は今回が初めて。しかも座席はオーケストラの前から2列目。かぶりつき!MTTの汗がかかっちゃうかも、な距離?!MTTさん、石田純一山崎一とうちの父方のおじちゃん(笑)を足して割って外人にしたような感じで、しゅっとした感じのおっちゃん。


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オープニングは、何かと思いきや全員起立してアメリカ国歌斉唱。後ろの座席に座っていたおじちゃん2名、プロのオペラシンガー?というようなものすごい声で歌いだしたのにびびる。

  • 本当の本当のオープニングの曲は、レオ・ドリーブのバレエ曲「シルヴィア」から、バッカスの行列」おフランスバレエ音楽の父と言われた人の作曲らしい。初めて聴いたけれど、ちょっと行進しちゃいたくなるような、なかなか調子のよい、何か無声映画のオープニングとかにもなりそうな曲でした。なぜこの曲をオープニングに選んだのか知りたいなあ。やはりシーズン初日だからか、MTTが振っているからか、シンフォニーもすごくびしっとしている!というか静かに興奮している!というか、気持ちがひとつになったような演奏でございました。
  • 2曲目はバーンスタイン!ウエストサイドストーリーの曲をメドレーにした、「シンフォニックダン」。これはいいよ~!すごくいいよ~!曲の間にオーケストラの人たちが、ミュージカルのダンスシーン同様に指パッチンをしたり、マンボ!と叫んだり。ドラムセットが入ってジャズっぽい曲をオーケストラが演奏すると、めちゃくちゃ格好いい。そしてMTTの指揮の軽やかなこと。SFシンフォニーといえば、彼のイケメンぽい顔写真がいっぱいポスターやバナーとして張り出されていて、なんとなくカリスマイケメン指揮者っぽい感じの彼ですが、その動きはなんとなくミッキーマウス。ディズニーのそれこそ「ファンタジア」とかにでてきそうな、軽やかかつダイナミックな動きをなさいます。それこそ片足を後ろに上げて、いかにも走りだしてしまいそうなぐらい前のめりになっちゃったり。でも動きは軽やかでも、しっかりした音が引き出せている、っていう感じでしょうか?きっと彼はダンスもうまいんだろうなぁ・・・なんて思ってしまいました。
  • そして忘れてはいけないのが、フルート!席があまりに前だったので、オケ全体は見渡せず、フルートに誰が入っているのか見えなかったのだけれど、途中で入るフルートソロの音色が、今までに聴いた事のないようなそれはそれは美しい音色で、ええええっ、これは何?!という感じだったのです。一瞬何の楽器かわからなかったくらいの不思議な音色。一体誰だったのでしょう。後でフルートの先生とこの話をしていて、それはプリンシパルをやっているティムかなやっぱり?ということになりました。ティム・デイは私の先生の師匠でもあるのですが、この夏をかけて音の大改造をしたとかしなかったとか。やはり近くで聴くから違って聴こえたのか、大改造の成果だったのか・・・は現在確認中です(笑)
  • インターミッションをはさんで最後は、ラフマニノフ!!ピアノ協奏曲3番です。ピアニストは、イェフィム・ブロンフマンさん。写真でみるより髪の毛が変てこな感じになってた気がするが(なぜかクラシック音楽家の写真って、実物とちがうよねえ)、1楽章が終わってすぐ拍手が出ちゃうくらいすばらしかったです。結構ガタイの大きなイェフィムさんが、感情がこもりすぎて足をじたばたさせながらの演奏。この曲を生で聴くのは初めてだったのだけれど、最後はもううるうるしてしまいました。ピアノっていいなあ。


余韻も覚めやらぬうちに、ゴージャスな観客ご一行様は先程のテントに戻り、コンサートの後のレセプションへ。さっき晩御飯食べたばっかりではあるのですが、今度は会場では地元の色々なレストラン提供のオードブルやらクッキーやらいろんなおつまみやドリンクが登場。うわーっと群がるゴージャスな方達。あまりに食べ物に夢中になった結果、先程はおしとやかに、ながーいドレスを引きずって歩いていた方々、裾を踏まれて身動きできなくなっていました。爆笑。


ステージではカバーバンドが入って、ゴージャスなシルバー世代が踊る踊る。お高いお洋服に身を包んだ、ちょっとかなり平均年齢が高い群衆であるということを除けば、なんだか会社のホリデーパーティーと変わらないようにも見えてきたぞ・・・・笑。それにしてもさっきまでラフマニノフの余韻に浸ってたのに、こんなにジャカスカしたバンドの音楽を演奏されては、全てが上書きされてしまうじゃないの~!!笑。楽器を肩に担いだ、オーケストラのメンバーの人たちもレセプションに参加していました。


After concert reception


観客のキラキラ具合もすごかったけれど、やはりオープニングということで音楽もすばらしかったし、本当によい経験させていただきました。ナツミさん、ありがとう~~~~~!!!!!!!