愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

イーストベイのワイナリー


ベイエリアでワインといえば「ナパ」「ソノマ」。実際私たちもワイナリーめぐりといえば、車を1時間ぐらい走らせて、ナパやソノマまで出向いていたのですが、灯台もと暗し。実はイーストベイにもワイナリーが沢山あるんです。週末に友人たちと地元でワインテースティング大会をしてきました。


Periscope Cellars


開発が進んで、全国チェーンのショッピングモールやオフィスが並ぶような場所、Emeryvilleにあります。ベイエリア在住の人だったらIKEAがあるところ、といえばわかるかしらん。こんなところにワイナリー?と思うのですが、昔々、潜水艦を修理するための施設だったところで、ワインを作っているとのこと。なのでワイナリーの名前も「Periscope(潜望鏡)」。この施設は、隣がクッキングスクール、2階はアーティスト向けのロフトになってます。テレビ番組Top Chefの収録は、このクッキングスクールでやってるんだとか!そしてこのワイナリーの中にもキッチン施設がちょこっとあって、そこでも撮影をしたんだそう。テイスティングに来たお客はこの時間私たちだけだったので、オーナーのお兄ちゃんとじっくり色んな話をしながら、たくさん味見させてもらいました(しかも無料)。


まずは街中でワイナリー?と思うかもしれないけれど、昔々、ワインの醸造は、サンフランシスコ市内で行われることが多かったのだとか。もちろんぶどうは市内では作れないから、ぶどうそのものはナパなどから買ってきていたらしいけれど、ワインを造ること自体は街の中でやったってどこでやったって同じなんだと。でも禁酒法(Probation)があったり、サンフランシスコ大地震などがあったりして、サンフランシスコ市内にあったワイナリー施設は無くなっていったのだそう。ナパやソノマでワインが醸造されるようになったのは、ここ30年ちょっとのこと、なんだそうです。だからイーストベイでワインを作ることは、地元に戻ったようなものなんだよー、だって。


二人ぐらいでやっているワイナリーなので、樽数もそんなに多くないのだけれど、もうすぐ瓶詰めをするという色んな種類のワインを、樽から直接飲ませてもらいました。ワインができるぶどうには色んな種類があるけれど、ワイナリーはいろいろなぶどうからできたワインをブレンドして、オーナーの好みの味を作っていきます。このおにいちゃんは、オイルと土の香りがたっぷりの、ジンファンデルベースのワインがお好みのようで、このワイナリーが出しているスペシャルブランドは主にジンファンデル。私にはちょっと最初の香りがきついかな・・・でもここではシラーが気に入ったので数点お買い上げ。といっても、まだ瓶詰めされていないので、すべての工程が終了した時点でもう一度連絡をもらって取りに行きます。楽しみ〜。


2樽しか仕込んでいないワインも飲ませてもらいました。同じワインなのだけれど、1つは新しい樽、もうひとつは古い樽を使っていて、それを半分ずつ割ったものを飲ませてもらいました。新しい樽で仕込むワインは、なんだか香りが強くて、「奈良のお寺」を思い出させる・・・笑。古い樽で作った同じワインをブレンドすることで、ちょうどいい感じに。でも香りはすごい。


前に見た映画「Mondovino」でも話題になっていたけれど、どうも「新しいオークの樽で熟成」させることが、ワインの「評価」を高めることにつながっているみたい・・・。この映画を見た限りでは、ワインの評価って、ロバート・パーカーというワイン評論家のおっさんと、ワイン・スペクテーターという雑誌などの評価の影響が大きいようだったけれど、結局これは、このロバート・パーカーっていうおっさん個人の味の好みが高く評価されるわけで、このおっさんは「新しいオークの樽で熟成させて、micro-oxygenateさせたワイン」がお好みらしい。で、みんなその評価にあわせて値段を決めたり、評価を上げるために、このおっさんの好みの味を作ろうとしたり。でもそれっていかがなものか。


このおっさんの評価も参考になるかもしれないけれど、絶対的な評価なんてやっぱりありえないし、結局は自分が好きな味を見つけていけばそれでいいんだよねぇ・・・。そんな話をオーナーの兄ちゃんとしていたら、兄ちゃん、「そういえば香港では、『高価な』ワインをばんばん買うんだけど、結局自分たちの味覚には合わないものだから、コカコーラで割って飲んだりすると聞いたことがある。」と言うので笑ってしまいました。うーん、そういえば結婚式とかでも、ものすごい高いコニャックとかブランデーをテーブルに並べて、味わうどころか、水のようにかぱかぱと飲むんだよなあ〜。我が家でも結婚式のときにそういうものをテーブルに並べたほうがいいのでは、という親族のアドバイスがあったが断りました(笑)。味が好きだから、というよりは、ステータスシンボルだからというのはどうもねぇ。


オーナーのお兄ちゃんがすごく丁寧に説明してくれて、沢山話をして、沢山味見をして、そして修理工場をそのまま使っているワイナリーも、ぜんぜん気取らない空間なところがすごく気に入りました。試飲できるエリアには、オーナーの友達のアーティストの作品などもいろいろ飾ってあります。週に1度ハッピーアワーもやってるそうです。おいしくて沢山飲んじゃった。めっちゃおすすめ・・・


Dashe Cellars 
JC Cellars


ここはオークランドダウンタウン近くにあるワイナリー。中華系の、キッチン用品とかを扱っているような倉庫街の中にあって、えーこんなところにワイナリーが?、という感じ。ここは2軒のワイナリーが一緒にひとつの場所を借りていて、広々した倉庫の中にカウンターがどーん、そして奥に樽が沢山並んでいました。ここは白ワインも作っていて、木の樽のほかにもステンレスの大きなタンクもどかーん!と並んでいます。


最初のワイナリーが良くて長居した上に、沢山のワインを飲んでしまったので、ここに着いたころにはもう出来上がってしまい、あんまり味見はできませんでしたが、Dashe Cellarsのワインは、結構ペッパーな感じの、どーん!ずしっ!とくる感じの味で、酒に弱い私にはちょっと苦手な味でした。最初のワイナリーの印象があまりにも良かったので、ここのは「ふーんこんなもんね」という感じ。でも最後に出てきた、Late Harvestのジンファンデルは、デザートワインほど甘ったるくもなく、とてもおいしかった!もう一軒のほう、JC Cellars は、飲む気力もなし。どちらもテースティング料として5ドルかかります。結構盛況でした。


Rosenblum Cellars


最後に寄ったこちらは、アラメダにあります!これこそ、倉庫がぽつん、とあるところに。この日はちょっと午後になってお天気が崩れてきたのだけれど、外にテーブルも置いてあって、お天気の良い日は、向こう岸のサンフランシスコを眺めながらのんびりするのも良さそう。倉庫の階段を上がって2階がテースティングルームです。ここも基本的に味見は無料。ここでもジンファンデルをメインに飲みましたが、ちょっとお願いして、チョコレート・ポートワインも飲ませてもらいました!チョコレートのエキスが入っているポートワイン。もちろん女の子達には大好評で、我が家も実は2本買ってしまいました。でも1本18ドルだからお得。うふふ。


このほかにもイーストベイにはワイナリーが沢山あります。地元だから、長時間ドライブしていく必要もないし、まだそれほど有名でもないので、がんがんに込み合うこともないし、実際にワインを作っている人たちとゆっくりお話できるのも良いところ。本当はもっと行こうと思っていたのですが、飲みすぎてここで打ち止めに。次回はバークレーのを狙うぞ!