愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

とうとう見てしまった


ちょっと前に話題になったこれ。


スーパーサイズ・ミー 通常版 [DVD]

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昔似た様なトピックを扱った「ファストフードネーション」という本を読んだことがあったけれど、映画のほうがビジュアルがあるぶん、うぎゃーという感じであった。本を読んだときは、結構「これはひどい」と思うようなことが書いてはあるのだけれど、読み終わったらなんだかハンバーガーを食べたくなってしまった・・・しかしこの映画を見ていたらファストフードはいやもう結構です状態になった。In-and-Outバーガーでさえも、もういらないなあ。


特にカリフォルニアに越してきてから、陳家がファストフードを食べるのは1年か2年に1回ぐらいになった・・ハイウェイを長距離運転していて、本当にそれしかない、という時ぐらいにしか食べない。逆に、ファストフードが食べたいなあと思うようになったときは要注意。その欲望のままにポテトとフライを食べると、必ず翌日病気になって寝込むことになる。最近はファストフードが食べたいと思ったら体が弱っているサインと思って逆にビタミンを取ったりするようになった。この映画のおまけDVDで、ポテトを5週間ぐらい放置してもカビも生えなければ腐りもしないという実験をやっていたけれど、そりゃ確かにこんなものをお腹に収めたら病気にもなるわ・・・。


サンフランシスコは特に、市内にあまりチェーン店を入れないように規制されているので、家の周りにはファストフード店が無い。で、ハンバーガーを食べたければ自分で作るか、あとはバーとかで食べる。これは自家製なので、うまい。食べ終わった後の変な薬っぽい胸焼けもしないし。昔と比べると、ハンバーガーをちゃんとした食べ物としてリスペクトするようになったかもしれない。フォークとナイフで食べるし(笑


それにしても愕然としたのは、アメリカの学校給食のあまりにもお粗末なこと。一度、学校施設を借りて何かしたときに、学校給食の余りをもらったことがあったのだけれど、それはジップロックに入った、ハムがぺらっと1枚だけ入ったサンドイッチでびっくりしたことがあったけれど・・・。日本の学校給食はその点すごくちゃんとしてるよなぁ。給食黒板とかに材料や栄養素を書くのも子供の仕事だったし、配膳も片付けも自分でやるというのは、なんだかんだいっても、バランスの取れた食事をするとか、どの食べ物にどんな栄養があるかというのをなんとなくでも教えてくれたと思う。うちの会社でも食べ物アレルギー(ピーナツとか)がある上にものすごく偏食の子がいて、一緒にカフェテリアでご飯を食べると、いつも皿の上が「肉とイモ、以上」みたいな子がいる。彼が自分のお皿を置いて席を立っていても、そこに誰が座ってるのかわかるくらい(笑)お母さんのように「野菜もお食べ」とは言っているのだけれど、よく病気にならないなあ。


でも学校でもこういうことを教えてこないし、特に低所得者層になるととにかく安い「箱に入った食べ物」ばかりを食べるから、栄養は偏るは、肥満になるわ・・・で、アメリカ人はどんどん巨大化している。哺乳類でも巨大化して絶滅した種類がいっぱいあるみたいだし、アメリカ人もそのうちそうやって滅びるんじゃないか・・なんて思ったりする。


映画では、糖分ばかりの給食を食べていて、注意力散漫、やる気の無い学校の子達のことも取り上げていたけれど、栄養が偏っていると精神不安定になるのだなというのは、中学生時代にクラスのヤンキーの子たちの食のセレクションを見ていてなんとなく思っていた。昔昔に読んだ歴史と食べ物に関する本の中に、平安時代の貴族は、肉も食べなければ新鮮な野菜も食べず、乾物のようなものばかり食べて、お姫様になるとめったに歩くことさえないようなさんざんな運動不足、それで夜は寝られるわけもなく、悶々とする・・・寝られない夜に考えることにはろくなものがなく、ネガティブな歌ばかり作ってみたり物の怪におびえたり末法思想になったりした・・・というくだりがあって、ほほう、本当かどうかは定かではないけれど、妙に納得した覚えがある。で夜寝られないで昼に寝たりするから太陽の光にも当たらず、よって必要なビタミンも生成されずに悪循環・・・下膨れの顔もあれは高貴というよりは栄養失調でむくんでいるんだそうだ。


バランスの取れた食事と適度な運動は本当に大事でございます。カリフォルニアではそれをものすごい信念として、時にはもう人生のステートメントとしてものすごい勢いで実施している人がたくさんいるので、質の良い食べ物が手に入りやすく、運動もしやすい環境にあるのが有難い。最近は、「お母さんの味」だったはずのバーモントカレーとかも、食べた後に気持ち悪くなったりするようになってしまった。むむむ・・・