以前にも書いたのですが(id:Marichan:20041020)、モノゴコロついて最初に目にした「ガイコク」はアメリカというよりはインドでした。 といってもインドに行ったことは無いし何も詳しくは無いのですが、家族の間で何かインドは、ノスタルジーをもって語られる、ちょっと特別な場所という感じがします。そして小中学生のころは、お父ちゃんが日比谷のマハラオから持って帰ってきてくれるタンドーリミックスが大好きで(なんと!このお店もう無いの??!)、特に特製のマンゴーチャツネーはちびりちびりなめて楽しんでいました。そんなこんなで、自発的に台所に立って作っていたのもインド料理・・・。っていっても、そんなにしょっちゅう作ってはいなかったけれど。でも台所にスパイスのにおいが立ち込めるのはそれはそれは幸せです。
で、最近、カレーの歴史を紐解いたこんな本を読んでいます
Curry: A Tale of Cooks and Conquerors
- 作者: Lizzie Collingham
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr (T)
- 発売日: 2007/05
- メディア: ペーパーバック
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インド料理、実はペルシャやポルトガル、そして新世界といろーんな国や文化に影響を受けて確立したもの、ということがわかってすごく面白い。たとえばお米料理のビリヤニはピラフの変形で、フルーツやナッツを使うのはペルシャやユダヤ文化の影響もあり。ビンダルーは、ポルトガル料理の変形みたいだし、意外とカレー作りに活用するトマトやジャガイモも、新世界からの食べ物ですし。
「クシャリ」という、お米とお豆を混ぜた料理の話も出てきましたが、これってエジプトで食べた「コシャリ」(id:Marichan:20060808)とそっくり、というか同じ!(エジプトの現代バージョンは残飯ぽくすごいことになっているけど)昨日の餃子もそうだけれど、食べ物文化って、本当に遠い場所でもつながっているんだなー、というのが、当たり前なのかもしれないけど、とても興味深い。
まだこの本、読み途中なのですが、各章の終わりにレシピがついているのも楽しい。今までに作ってみたのは、インド料理屋でも良く出てくる「チキン・ティッカ・マサラ」。実はこれ、インド料理じゃないんですって。というと語弊があるんですがインド発のインド料理ではなくて、イギリスで広がったファストフード的インド料理なんだそうな。アメリカの中華料理でいうところの、「General Tso’s Chicken(チキンの酢豚みたいなの)」とか「チョップスイ」みたいなものか。日本料理だとカリフォルニアロール?一時イギリスではこの「チキン・ティッカ・マサラ」を国の料理に指定しよう!という話もあったらしい・・・。
お店で出されるチキンティッカマサラは、すごいチキンが赤いんだけど、これは食紅を使っているからなんだそう。でもこのレシピのは、そういうものはまったく排除して、とにかくスパイスが効いていて、お店のものとはまったく別物、というか違う料理の味。辛いが癖になる美味しさ〜。
そして本日はチキンビリヤニに挑戦。ビリヤニ、見た目はピラフみたいなもので、スパイスやお肉、ナッツやフルーツを入れて炊き込んだご飯。外で食べると、どうもカレーソースの残りをご飯に混ぜて出しているのでは?って感じのお店も多いんですが・・。このレシピでは、米だけじゃなくてレンズ豆やジャガイモ、ゆで卵も入っていてボリューム満点。
大鍋に昨晩からスパイスや果物につけておいたチキン、お豆、ポテト、ご飯、の順番で層にして材料を入れて、1時間ぐらい弱火でじわじわと料理する、結構手間のかかる料理でした。見た目は残飯みたいであんまりよろしくないんですが・・・。お味は、これまたお店のとぜんぜん違う。お店のは、だってカレーを混ぜているからカレーの味がするけど、これは材料にカレー要素が入らないのでかなりさっぱり、あまり重くない。豆と米が混ざっている感じは、なんとなくコシャリっぽくもある。ビリヤニ、本来はインド米の香ばしさを楽しむのを目的とした料理なので、そんなにカレーの味はするべきではないらしい。今のインドの味、というよりはムガール帝国時代の味なのかも。