愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

80年代のアメリカ


司馬遼太郎さんが80年代にアメリカ(というかニューヨークやカリフォルニア中心)を訪ねたときのことをまとめたエッセイというか紀行文というか、そのようなもの。


アメリカ素描 (新潮文庫)

アメリカ素描 (新潮文庫)



ご本人も認めるとおり、司馬さんといえばとばりばりアジア関係のお方なので、そんな彼がアメリカに来て何を感じてどんなことを書いたのだろう、と期待して読んでみました。


感想は・・・「うーん、なるほど、えっ、ええーっと・・・、ああ、うーーむ、なるほど」


10年間住んでいるとはいえ、80年代のアメリカは私が実際には知らない世界。断片的に見えてくる、当時のサンフランシスコやニューヨークの様子は、なかなか興味深かったです。が、司馬さんの分析というか感想というか、そういう部分は何というか、読んでいてちょっとこそばゆかったです。うまく説明できないんですが・・・・。奥深い分析というか洞察に感心しながらも、うーむ、ここからそこまで話を広げちゃうか〜、と思ったり、ちょっと聞けばわかるところを聞かないまま、想像力で補ってどんどん話を展開した上で、それがいつの間にかアメリカはこうなんだ、っていう定義になっているような、いないような。いや、それは絶対違うんです!っていうわけでも無いんだけれど、どこか何かもぞもぞする感覚が残りました。


Banana fish (1) (別コミフラワーコミックス)

Banana fish (1) (別コミフラワーコミックス)



続けてこちらも・・・80年代のニューヨークを舞台にした本。同僚に借りてすっごい久しぶりに読んだけど、よかったわぁ〜〜。


私が短い間だったけど、マンハッタンに住んでいたのは98年。ドットコムブームや皇帝ジュリアーニの手腕もあって、ニューヨークは綺麗に、安全に、そしてエッジがなくなってきていたころのこと。司馬さんの本でもあったけれど、アメリカの都市は本当にシムシティみたいに、盛衰が激しいのです。ついつい懐かしくなって、ベーグルとクリームチーズを買って食べてしまいました。西海岸ではついぞ美味しいベーグルにめぐり合えたことは無いのだけど・・・。