愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

舞台2つ


今週末はタイプの違う舞台を2本。まずは会社帰りに、同僚S君がライターとして所属しているお笑い劇団を見に行った。大学の同窓生で作っている劇団なんだそうで、コメディスキットのほかに映像も作るらしい。ちゃんとフルタイムでそれを仕事にしている人もいるんだそうで、サンフランシスコ市内のちゃんとした劇場での公演だった(いや、やっぱりこれでご飯を食べていこうというのはとても大変なことですよ・・・!)。


アメリカで寄席というか、ピンのコメディアンが一人でしゃべるようなショーには何度か行ったことがあったけれど、コント仕立てなのは初めて。「スーパーヒーロー」をテーマに、ショートコント(ちゃんと舞台装置も衣装も完備)と、映像コントを何本もやるというスタイル。Saturday Night Liveとか、Mad TVの舞台版といった感じ。


最初の10分間ぐらいは、前列に座って「さあ笑いのサポートに来たぞ!」という感じの劇団員の家族や友達集団らしき人々が、普通のせりふでも爆笑するので「アメリカのお笑いってこんなのなのか、これはこの先つらいな・・・」と真顔で心配してしまったが、これがなかなかどうして、最後は私と旦那の「うひゃひゃひゃひゃ」という声が一番劇場に響いていたのではというくらいうけてしまった。


お互いのタイツやケープを褒めあう韻を踏んだ歌と踊りとか、ゲイ丸出しのものすごい動きをする、スーパーヒーローの面接にやってきた大人のピーターパンの身軽な動きを腹を抱えながら見ていたら、ちょっと学生時代を思い出してしまった。といっても学生時代タイツで踊っていたわけではないのだが、一応高校時代は演劇部の部長をやっていたので、何というか、舞台を作る楽しさとか、緊張感とか、演劇の独特の雰囲気を思い出した。


大学時代は、そのまま演劇を続けた友達の大学公演を見に行くばかりだったのだけれど、女子高の演劇部と違って舞台に男の人がいる凄さ(?!)とか、脚本の構成力の凄さとかに、はぁー、すごいなぁー、いいなぁー、と感心しながら、ぱたぱた舞台を動き回る人たちを見ていたのだった。舞台って、同じ空間に同じ人間がいるのに、何か客席と舞台の間に薄いスクリーンがかかったみたいに別の世界になるのがやっぱり凄いと思う。演技って、どんなアホなことでも、やっぱりものすごい難しい。私は舞台に立つとどうしても「素」になってしまうというか、自分のやな感じの「素」が出てしまって、いつも自己嫌悪に陥り、演技には向いてないんだなぁ、と思ったのも思い出した(というかせりふを完璧に頭に入れていない時点で失格!)。


みさきとか、Shirukoとか、あとひろままの学校の公演とかも見に行ってたよね〜。懐かしい。みさきの旦那様が、扇子をもって何か変な踊りを踊っていたのとか、Shirukoのラヂオの時間とか、まだ覚えてるよ。あとスパゲッティボンゴレを頼んじゃったりするのね(笑)そして人間だけで超合金ロボットの合体を表現してた?「スキゾキッズ」とか(笑)。おー記憶がよみがえるな!


2本目はマイミク、なつみさんに誘っていただいたオペレッタ。セロ弾きのなつみさんがオーケストラの一員として参加した公演にお邪魔した。こちらはギルバート&オサリバンの有名なオペレッタで(ミュージカルとも、オペラともちと違うのだ)、船長の娘としがない水夫の身分を越えた恋、でもちょっとコメディー、といったお話。出演者の紹介が入ったパンフレットを見ていたら、「普段はソフトウェアエンジニア」「システムアーキテクチャ」とか、シリコンバレーを拠点とした劇団ならではのプロフィールだった(笑)


主役のソプラノのお姉さんは声のコントロールが絶妙でとってもきれいだった!一方相手役の「イギリスの誇り高い水兵」役がアジア系のちっちゃなおじちゃんで、だぼっとした水兵さんの格好をしていたのだが、それがだんだん「食い倒れ人形」または江戸川乱歩の小説に登場して、「はいちゃ、はいちゃ」と笑いながら逃げて行きそうな怪しい「サンドイッチマン」に見えてきてしまい、少し笑ってしまった・・(帽子をかぶってほっぺが赤かったから。笑)。でもお歌上手だった。


でもなにより、やっぱりオーケストラっていいよなぁ。特に開演前にオーケストラが練習してる音、たまりまへん。そしてさらに、舞台が始まる瞬間の静寂と、だーん!って序曲が始まる部分が、緊張感と、これから舞台が始まる期待感があいまって(そしてオケが主役でもあるし)とても好きです。


皆様誘っていただいてありがとうございました〜!