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愉快的陳家@阿拉米達島

ちょっと雑だが愉快な暮らし。サンフランシスコ・ベイエリア日記

 おばかなミステリー


2007年の目標(というか希望)として、もっとたくさん本を読みたいな、というのがあります。東海岸にいたときは、一応ニュースもチェックしていたし、もっとたくさん本を読んでいたと思うのだけれど、こっちに来てからはとんと活字離れ。通勤時間も長いことだし、もっと読めるはずなのに。東海岸時代は、活字を読んで、何かをじーと考えていることが多かった。こっちに来てからは、仕事でも日常でも、何か読むというよりは、とにかく動いて何か作らないといけなくなってきたというのもあるかもしれない。


でも今年最初に読み終わったのは、カール・ハイアセンの小説でした・・・。


Double Whammy

Double Whammy


フロリダ在住の彼が書く小説は、殺人事件が起きるという意味ではミステリー小説なのだけれど、それよりも何よりも、小説に出てくる登場人物や、ありえないシチュエーションに爆笑してしまう、お笑いおバカミステリーといったところ。


小説の舞台はいつもフロリダ。フロリダは、豪邸に住む滅茶苦茶お金持ちと、レッドネックが混在する不思議な場所なのだけれど、そんな土地柄を生かした(?)人物設定がとにかく笑える。犯人が捕まるかとかそういうことよりも、登場人物の言動だけで十分に楽しめる。


「ダブル・ワミー」は、以前は写真家として成功したものの、色々あって落ちぶれ、現在はトレイラーパークに住み、保険の調査員をしている主人公が、フロリダで開かれるブラックバス釣り大会の不正に切り込むというもの・・・。そこに出てくるのは、ケーブルテレビのネットワークを持ち、信者取り込みのために、(レッドネックに人気な)釣り番組を大々的に放送したりして、テレビ布教をする「テレバジェンリスト」と呼ばれるキリスト教の悪徳牧師だったり(実際にそういうテレビ番組があるから笑える)、人里離れた小屋に住み、ロードキル(ハイウェイで轢かれて死んじゃったウサギとか鹿、オポッサムとか)しか食べず、しかし本棚には高尚な本が並ぶ謎の野人(実は行方不明になっている元フロリダ知事)だったり(彼は主人公の別れた奥さんの家にかくまってもらっているときに、彼女のペットのチワワだかプードルだかを焼いて食べちゃうのだ)。


作者のちょっとひねくれたユーモアもわたくし好みで、読むたびににやにや、爆笑。とにかく人物設定が秀逸なのだけれど、フロリダ、こんな人たちがうようよしてるのか・・(違)


Skinny Dip

Skinny Dip


これは去年、中東に行ったとき空港で買って読んだ。主人公は、幼少の時にお金持ちの両親をなくした、ブロンド美人。両親はサーカスか何かを経営していたのだけれど、自家用セスナを操縦中、酔っ払ったか何かの勢いでサーカスの熊にコックピットを操縦させたために不慮の事故死(ありえない)。莫大な遺産で生活する彼女は優しい旦那さんと結婚したのだけれど、その旦那さんは空から落ちてきたスカイダイバーに当たってまた不慮の事故死。


その後再婚したのが、海洋生物学者(マリンバイオロジスト)の旦那。アメリカでマリンバイオロジストというと、いるかと戯れたり、海に潜ったり、自然を愛し、環境を守るナチュラリスト・・というイメージがあるのだけれど、この旦那は全く正反対で、虫きらい、自然なんか嫌いで、エアコンの効いたでっかいSUVに乗って、研究データは捏造するわ、浮気はしまくるわのしょうもないトホホ亭主。この旦那がある理由から奥さんを殺そうと彼女を船から海に突き落とすのだけれど、水泳チャンピオンだった彼女は泳いで生き延び、たどり着いた無人島で元警官の世捨て人と出会い、殺人はまんまと成功したと思っているアホ亭主にあれやこれやの手で復讐をする話。


ここに出てくる登場人物も、不法移民のメキシコ人を使って大農場を経営する悪徳農場主だったり、日雇いメキシコ人の見張り役は、上半身裸でもセーターを着ているのと見間違うほど毛深く(!!)、昔喧嘩か何かで撃たれた銃弾のかけらがお尻に残っていて痛いので、老人ホームにもぐりこみ、老人に張られている貼るタイプの痛み止めをはがして盗む常習者だったり、そこから老人ホームに住むあるおばあちゃんとの友情が芽生えたり・・・。


この作者は子供向けの本も書いているそう。内容が気になる〜。