愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

行使你的投票権!毎一票都無比珍貴!

明日火曜日は中間選挙です。旦那はここのところ「ああ、せっかくDCの政治の世界から抜け出せたのに・・・頭が痛い!」などと騒いでおりましたが、これと投票は別。この選挙、連邦政府議員を決めるだけでなく、知事など州政府に関する投票も山ほど行われます。カリフォルニア州の選挙の様子は、DCにいたときとはまたちょっと違う。DCは街自体が小さいし、課税あって代表なし、という場所だったりして(DCを代表する連邦議員はいないのデス)、アメリカ政治の中枢とはいえ、DCそのものをどうしていくか、という地方自治の話になるとちょっと微妙なところもあったのですが、カリフォルニア共和国といわれるくらい巨大なこの州では、州政治もかなりダイナミック。


DCにいたときより、国際情勢の話しはしなくなったけれど、道路がどう、建設がどう、学区や治安がどう、と地元の社会問題や政治動向について、ディナーの席で友人とカジュアルに話をする・・・という機会はそれなりに増えたかもしれません。まあ、自分達の日常生活に根ざした話だから実感もあるし、イラク情勢云々などに比べると話しやすい話題なのかもしれないですね。私としては通勤時に使うハイウェイの混雑と道路の質の悪さを何とかしてくれい!という願いもあります。


ここのところ、テレビ番組では「プロポジション○○にYes!といいましょう」とか「プロポジション××には断固NO!」とかいうキャンペーンコマーシャルががんがんかかっていました。プロポジションとは議案ほどの意味。なんでもカリフォルニアでは、州の色々な問題について、議会で話し合いをするより、民意に直接かける、という究極の民主主義(?!)をやっているらしい。


例えばプロポジション86はタバコに関する税金を増やすというもの。そして結構議論になっているプロポジション87は、カリフォルニアに拠点を置く石油生産者に課税して、代替エネルギーのためのプログラムの資金を確保するというもの。こんな感じのプロポジションが、色々な分野で今回は24個あります。


このほかにも、今回の選挙では教育委員会から地下鉄BARTのボードメンバーなど、色々な役職が選出されます。選挙にいってこれに全部投票するにはどれだけ時間がかかるんだ!って感じです。これは投票前にかなり予習が必要です。なので選挙の前に我が家には、それぞれの候補者やプロポジションの内容を説明した、『選挙の手引き』が2冊送られてきました。それぞれ200ページある代物です。もちろん、カリフォールニアですので、投票方法の説明などは、英語、スペイン語、中国語の3ヶ国語で書かれております。「知事」は中国語ではそのまんま「州長」というんですね〜。そしてシュワちゃんの名前は中国語で「阿諾徳 施瓦辛格」だって!Secretary of Stateは「州務卿」。なんかこっちのほうが「州長」より格式がありそうで格好よくきこえますね〜。


冊子には、候補者のバックグラウンドや、誰がこの候補者を支持しているかといった情報、それからそれぞれのプロポジションの内容と全文、そしてそれに対する賛成意見、反対意見などが書かれています。例えばプロポジション87は、代替エネルギーのために石油会社に課税をするなんて、いいじゃん!と思う一方で(クリントンやゴアさんが出演する賛成TV広告がありました)、代替エネルギープログラムのための新しい機関を作ったりと、その予算はアカウンタビリティを持たない無駄な官僚機構を作るだけで意味ナシ!という意見があることがわかるなど、うーむなるほど、と色々考えることができてなかなか便利です。


こちらでは新聞も誰を支持するとかはっきりしていて、例えばサンフランシスコの地元紙SF Chronicleでは、当紙が支持する候補者、プロポジションの一覧というのを出しています。
http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2006/11/03/EDG87M3AJB1.DTL
こういうのを前提に記事が読めるのもなかなか良いかと。


思えば日本の大学生だったとき、本気でちゃんと投票しようと思ったのですが、参考になるのはNHKでやってる雲をつかむような選挙演説ぐらいしかなくて、候補者を比較検討するものもないし、政治素人の私はほんっとに困った覚えがあります。実はそれ以来、よくわかんなくて日本の選挙に行っていません・・・。もちろんアメリカの選挙も、えげつなーい誹謗合戦があったり、違法すれすれの選挙活動があったりするんですが、それでもなんだかとっつきやすくて、見ていて面白いです。そういえば日本みたいに、地下鉄の駅前で挨拶してる候補者とかもいましたよ!


とりあえずは、連邦議会の選挙結果がどうなるか楽しみです。