愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

橋から橋へ


村上春樹さんがプリンストンに住んでいたときのエッセイで、日米マラソン大会事情を比較したくだりがある。それによると、日本のマラソン大会は、だいぶ早くに申し込みの締め切りがあって、それはなぜかというと参加者名簿というのを作って当日配るから、らしい。そしてその名簿には参加者名と所属が必ず書いてあるらしい。さらに大会当日には主催者の挨拶がえんえんとあったりして疲れるらしい。対してアメリカのマラソン大会は、走ろうと思い立ったら当日にでも駆け込みで参加することができるし、名簿もないし、主催者の挨拶もなく、ぱっと走れる、云々、というのであった。


日本でマラソン大会に出たことがないからわからないけれど、アメリカのマラソン大会は結構御気楽に参加できるのは確か。この日は、ベイブリッジからゴールデンゲートブリッジに向かって走る「Bridge to Bridge」という、毎年4,000人ほどが参加するマラソン大会の日だった。この日はちょっと体調が悪いかなぁ、と朝ぐずぐずしていたのだけれど、「やっぱり走ろうかなぁ」と決めて、結局5分で家を出て、参加費用35ドルを手に会場に向かった。


アメリカでのマラソン大会は、フルマラソンだとどうかわからないけど、大体当日申し込みがOK。そこでお金を払ってゼッケンをもらって、大きな大会だと時間を計るために靴につけるチップももらう。今回は7キロと12キロの2種類があって、あまりに眠くてしんどかったので今回は7キロに出ることにした。旦那は12キロ。すでに7キロレースは出発した後だったので、20分後に出発する12キロのレースと一緒にスタートすることにした。そこらへんも、結構適当。


出発しても、おしゃべりしながら走る人、のんびり歩く人、多種多様。これくらいのコースだったら、普通に一人でジョギングしてもいいんだけれど、周囲に同じ目的を持ってどかどか走る人や、周りで応援してくれる人がいると、やっぱり楽しさが違う感じがする。これって人生でもきっと同じだよな。ふと思い立ったらそれを気楽に始められる環境があって、自分のペースで好きなように進んでいって、でも周囲には一緒におしゃべりしながらでも同じゴールに向かって進んでいく仲間がいたり、応援してくれる人達がいたり。そして何位だろうと、ゴールしたら祝福される。そういうのが、やっぱりいいよなぁ。


私より5キロ余計に走る旦那とはコースの途中で枝分かれして、私だけ先にゴール。終わったらボランティアの人にバナナやら水やら、参加記念のTシャツやらをもらい、特設ステージでバンドの演奏を聞き、無料のアイスクリームやお茶やワインやらをもらう。走ったら、なんだか朝体が重くて疲れてぼーっとしていたのなんか、吹っ飛んでしまった。そしてこれだけ達成感があっても、まだ朝の10時だというところも良い。


ついでにスポーツ用品店での2割引券をもらったので、1年間はきつぶしたジョギングシューズの替えを買うなど散財。靴だけはちゃんとしたのを買わないと、膝とかに負担がかかったりするので、ついつい130ドルのを買ってしまいました。これはまたがんばって走らないと・・・。