愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

クラシックのカラオケ、クラシックのジャズ


モーツアルトのフルートコンチェルト、ようやく仕上がってきました。夏休みでレッスンがイレギュラーだったこともあったけれど、とっても時間がかかってしまった。モーツアルトをやって思ったことは、譜面上は一見とても簡単そうに見えるのに、実際やってみるとすごくすごく難しい!ということ。技術的には、プロコフィエフソナタとかのほうが、もっとややこしいと思うのだけれど、なぜかモーツアルトのほうが何十倍も難しく感じました。やはり天才が創った音楽は違う!のでしょうか。だからこそずっと取り組む価値がある曲なのよネ、と先生。


そしてモーツアルトの曲は、近代・現代曲、そしてバロックと比べても、情景や感情が浮かびやすい、というわけでは必ずしもないかもね、とのこと。確かに何も考えないと、だらだらと演奏してしまいます。メリハリの付け所が難しい〜!先生と二人で、じゃあちょっと情景を考えて見ようか・・・、と色々とイマジネーションを膨らませます。この音楽が演奏される場所は・・・、うーんやっぱり宮廷とかサロンとか?いやパーティーかな? アマデウスの映画のサントラだと思ってちょっとやってみる。ピンクのカツラをかぶったモーツアルトがワイングラス片手に、貴族のパーティーで一人クルクル調子に乗って走り回る様が頭に浮かびます。しかし先生は「やっぱり現代のパーティーとかかしらね」・・・すると私の頭の中ではなぜかジェームスボンドがマティーニ片手にお金持ちのパーティーに侵入、周囲をうかがいながら美女と話す風景が。「このフレーズ、皆がパーティーで集まって、冗談を言って笑いあっていたのだけれど、誰かが寒い冗談を言って人がどんどん減っていく、というのはどう?」・・・すると今度は頭の中でチャップリンが音楽にあわせながらパーティーでおバカなことを始める風景が・・・。とどんどん頭の中に勝手なイメージがわいてきて、でもおかげで少しは躍動的でメリハリのついた感じになったかな。モーツアルトは難しい、でも楽譜を見ながらああでもない、こうでもないと考えるのはちょっと楽しい。


今回は、先生からクラシックのカラオケCDをお借りしました。なんとこのフルートコンチェルトの、ピアノの伴奏バージョンと、オーケストラの伴奏バージョン(もちろんフルート部分は無し!)が入ったCD!フルートでカラオケ、こりゃたまりません。さらにピアノの伴奏は、色々なテンポで練習できるように3種類ぐらいのバージョンが入っていました。調子に乗ってやってみたけれど、やっぱりオーケストラとあわせると、いかに自分が付け焼刃でいつも演奏しているか、浅い演奏だなぁ〜ということが浮き彫りになるようでちょっと悲しかったです(涙)。でもつかみどころが無くてちょっとうんざりしていたモーツアルト、このカラオケCDの威力もあって、長期的にモノにしてやる!とやる気がちょっと沸きました。


さらにカデンツァも自分で考えることに。カデンツァとは、フリースタイルで楽譜にとらわれずに自由にソロを演奏することができる場所で、第1楽章では曲の終わり間際にあります。フリースタイルとはいえ、クラシックの楽譜の中にはすでにカデンツァの部分をどのように演奏するかを指定したものが多くて、普段は楽譜どおりの演奏をしていたのだけれど、今回は自分で何パターンか作って見ることにしました。ちょっとジャズみたい。コンチェルトのフレーズは踏襲した形だけれど、「枠」から外れて好きなように演奏する・・・、これ、いきなり人前で踊りなさいと言われた感じで、最初はちょっと恥ずかしい〜!!


でもこれでしばらくモーツアルトはお休み。次はヒンデミスのフルートソナタをやります。こんな感じの曲です(視聴)。これは同僚のIちゃんがピアノ伴奏できるよ!ということなので一緒にやってみることにしました。モーツアルトよりは、情景は浮かびやすいかな?


さらに先生からすごいオンラインソフトウェアを紹介してもらいました。フルート曲に限らず、なんと3万件以上の音楽の伴奏が入っていて、さらにただのカラオケ伴奏にあらず、楽器の演奏にあわせてテンポを変えてくれたりと、インタラクティブに反応するんですって!しかも先生がサインアップして、その生徒として利用すると年間10ドルとかものすごく安いみたいです。これはすごい!

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