愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

ヒヒの歯


ここ2、3週間ほど咳が止まらず、それも夜中に胸から乾いた咳が出るものでよく眠れず、咳止めを飲んでもいっこうに改善の兆しが見られないので不審に思っていたところ、同僚からは「百日咳疑惑」の提示があり、さらに土曜日に遊びに来たJ君も咳が止まらないので病院に行ったら風邪ではなく細菌感染で、抗生物質を飲んでいるという始末なので(なんと緑の痰が出たそうな)、あなおそろしやと観念して病院へ。もちろんかかりつけの医師に当日面会することは出来ないので、病院にいかに苦しいかという思いを切々と訴える電話を入れて同情を買い、当日の宿直医の予約を入れてもらう。


この日のサンフランシスコはそよ風さえ熱を持っているとんでもない真夏日で、そんな中ホームレスが一杯乗り込んでくるバスの路線に乗ったら咳が止まらなくなり、なんとか中枢が刺激されすぎておぇ〜となってしまった。アメリカの病院は必ず最初に看護師に一通り症状を説明しないといけないのだが、どんなに詳しく説明しても、それが医師にエスカレートされることがほとんど無いというのが不思議な特徴。熱をはかり血圧を測り、一通りのことをした後で、「ではまもなくお医者様がいらっしゃいますからね」と個室に取り残されるのだけれど、そこからお医者様が御成りになるまでの時間がものすごく長いのも特徴。そのためにクロゼットほどの診察室には雑誌が山ほど用意されていて、芸能人のゴシップ雑誌を全部読み、トルコのジャーナリストが言論の自由を弾圧されて裁判にかけられている記事を読んでひとしきり憤慨したらようやく医者がやってきた。「診断が早いので有名な先生」という受付のお姉ちゃんのお言葉どおり、待ち時間15分、診察時間3分。結局ただの風邪との診断が下り、喘息の時にやる吸引のやつと、これを飲んでラリル中毒患者がいるので有名な強い咳止めシロップを貰った。処方箋もしゃべりながらコンピューターでぽんからきんこんかんと打ち込んで、ペーパレス。下の薬局に行ったらすでにオンラインで情報が行っていたらしく薬が用意されていた。同じ病院内でも別の先生たちはまだ手書きの処方箋を書いているから、よっぽど効率的な先生なのか。現金なもので、この日の夜はこれを飲んだら胸が痛いのがかなりすっきり。


病院に行って薬を貰ったらすっかり治った気になりそのままハイト・アシュベリーでお買い物。何を買ったかは来週のお楽しみ。お昼には近くのタイ料理屋さんに。パドタイをずいぶん長い間食べていないなぁと思ったので頼んでみたら、ココナッツの風味がたっぷりなくリーミーなソースが、ライスヌードルの上にかかっているというパスタのようなパドタイが出てきた。意外だったけどなかなかいけました。旦那はダック入り炒飯。タイ料理は砂糖を結構使うのだけどこの甘酸っぱい&辛い組み合わせがたまりまへん。


ハッシュのOn-onで始めて行き、酔いすぎてトイレの冷たい床の上で寝てしまったバーにも寄る。実は今日は母の日。アメリカ人は母の日を本気でお祝いするので、今日はママと約束があるからという友人も沢山いたり、刑務所にいるような親不孝息子でも少なくともこの日はママに電話ぐらい入れたりする。日本のママには夏まで花が咲くという小さなバラの鉢植えを送ったら、「バラがバラバラ」というタイトルのお礼のメールが来た。陳家ではかならず飲茶に行くのだけれどあまり暑いのや色々用事が重なって親のほうからキャンセルしてきたので、ホッ。この暑い日に脂っこい飲茶はやはり辛い。カウンターで一緒になったおっちゃん2人組と母の日に勝手に飲むとはどんなに親不孝ものかとさんざん親不孝自慢(?)をしながらビールを飲む。