愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

恐怖刺激


日本にいるときから夏になるとテレビでやっている「あなたの知らない世界」とか、心霊特集とかを、怖い怖いといいながらつい見てしまいます。アメリカでもあるんですよ〜、その中でもついつい毎週見てしまっているのが、SciFiチャンネルでやっている「Ghost Hunters」というテレビ番組。こういう心霊モノのテレビ番組は、だいたい「霊能者」という人が出てきて、心霊スポットに夜中に行って一人で見える見えると言ったり、何か急に霊が乗り移ったといってぶっ倒れてみたり、スタッフの機材が急に故障したり病人が出たり・・というシチュエーション的なもので恐がらせて終わり、というのが多い気がします。でも怖い音楽と、何か異変が起きた!というところで続きはコマーシャルの後!となるので、ついつい最後まで見てしまう・・・。でもこの番組はそういうのとはチョトチガウ。


TAPSという、ロードアイランド東海岸のイナカ)に拠点を置くゴーストハンター集団が主人公のドキュメンタリーなのですが、メンバーはみんな昼間は別の仕事をしていて、夜にボランティアでゴーストハンティング(?)をやっている人たちばかり。自分の家や所有する建物で怪奇現象が起きて、生活や仕事の上で支障が出てたまらん、という一般の人の依頼を受けて、夜になると出かけていきます。このグループの面白いところは、大槻教授じゃないけれど、心霊現象をとりあえず否定していて、その現象を現場で検証して「debunk」してみせるところ。このグループの設立者の2人は昼間は配管工として働いていて、そんな職業上の知識も生かして「ラップ音」だと思ったのが古い建物の配管の接続が悪かった音だったり、「ぞくぞく冷気がする」と思ったらセントラルヒーティングが壊れていただけだったり、「気分が悪くなる」のは地下のガスボイラーのせいだった・・・という原因を発見していきます。他にも最新鋭の機材を現場に持ち込んで、カメラや録音機をいたるところに設置し、現場の温度の流れを測ってみたりして、夜中中張り込んで異常が無いかを確認。


彼らは、現場で何か声を聞いた!人影を見た!という「個人的な経験」はカウントせず、あくまで機材で録音・録画された超常現象(Paranormal Activity)を証拠として採用します。「超常現象」だと思われるものも、人魂に見えるのはホコリが光に反射してるだけじゃないか、サーモグラフィに写ったおかしな人影は鏡の反射じゃないか、ということを徹底的に検証していくので、心霊現象を見よう!と1時間わくわくしてみていても、「結局怪しいところは何もアリマセンでした」とスカで終わる場合も多い。でも、依頼者の中には結構本気で困っている人もいるので、彼らが来て原因を調査していくことで、心の平安を取り戻す・・・という効果もあるらしい。


こういう感じで、とても淡々と「しらふ」で調査を進めているので、たまに説明のつかないおかしな声が録音されていたり、黒い影がものすごいスピードで移動していたり、重いドアが開いたり閉まったり、誰もいないところで椅子が動き出したり・・・という現場がカメラに録画されていたりすることがあると、余計にリアルでものすごーーーーく怖いのです。特に人の声が録音されているのを聞くのは滅茶苦茶怖い!ひー


アメリカでは、結構100年200年前の建物でも、中を改装しながら使ったりすることもあるので、結構入っただけでどーん、古くてこわーい感じの場所が結構あったりします。特に南北戦争関連の場所とか、ジョージアやニューオリンズあたりで結構歴史のある南部とか。サンフランシスコでもアパート探しをしていたときに入った古い物件のいくつかは、私でもなんとなくいやーな感じがするところがありました(怖)。でもこの番組で面白いと思うのは、何か説明のつかない超常現象があるとわかっても、お祓いをするでもなく、その事実を伝えるのみ(たまにひどい時は神父さんが登場するけど)。依頼主も結構あっけらかんとしていて、超常現象を見て「Cool!」といったり、「とにかく家の中で何が起こっているのかがわかっただけで嬉しい」とか、そういう現象と共存していこうとしてる感じの人が多いってところでしょうか。歴史的な建物のオーナーなんかは、これで集客が見込めると思うのか、結構嬉しそうな人もいるし。


日曜日はつい、そんな番組の再放送を14時間ほどぶっ続けでやっていたのが録画されていたので、ついつい早送りしつつ見てしまいました。本当かどうかは別として、あー怖い!週に1度の恐怖刺激。


ホームページはこちら。オンラインで番組も見れますよ。怖いの好きな人はドウゾ!