愉快的陳家@阿拉米達島

ちょっと雑だが愉快な暮らし。サンフランシスコ・ベイエリア日記

30年前のバリウッド


バリウッド映画はいつからバリウッド映画になったのか?ちょっとそんなことに興味を持ち、はるか昔1970年代のインド映画「Amar Akbar Anthony」を鑑賞。今やインドのショーン・コネリー(?!)、超大物俳優となった、若き日のアミタブ・バッチャンが主演。お話は、運転手として働く父親が、主人のひき逃げの罪をかぶったがために、両親そして幼い3兄弟全員が生き別れになるという、メロドラマの定番すぎるような筋書き。20年後、盲目になった母親が交通事故に遭ったことで、たまたま近くに居合わせた3兄弟(もちろんお互い血がつながっているとは気づいていない)、血液型がRHマイナスだというので献血をしたことから、生き別れになった家族全員がややこしく絡み合うドラマが始まります。


30年ちょっと前のインド映画ですが、「歌って踊る」「途中でインターミッションが入るくらい異様に長い」「ヒーローによる喧嘩シーン」「ヒロインと出合ったと思ったら即婚約、そしてそこには必ず困難が待ち構えている」という黄金ルールは当時から健在でした。


もちろん、1本の映画だけで当時を深読みするのはどうかと思いますが、30年前の映画だけれど、今よりも雰囲気が開放的に見えたのは気のせいかしら。まずは宗教の描き方。生き別れになった兄弟は、一人はカトリックの教会の神父さんに、一人はムスリムの仕立て屋さんに、そしてもう一人は警察官に育てられます。キリスト教ムスリム・・・ときたら警官はヒンズー教かな、と思うのですが、なぜかこの警官だけ宗教色がほとんど出てこない。これがちょっと不思議でした。


そして神父に育てられた主人公は、教会でミサを手伝ったり、お祈りしたり、信仰はあるけれど、怪しいバーを経営していて、近所で権勢をはるチンピラ風の人物。そしてムスリムに育てられた兄弟は、コンサートまで開いちゃう人気歌手(?)で、ムスリムの帽子をかぶってはいるけれど、洋服はシースルーのヒップホップ系(笑)。さらに途中、やくざに追われた盲目のお母さんが、ムスリムの彼が神様にささげる歌を歌っている声を頼りに寺院に逃げ込み、そこでなぜか奇跡が起きて、目が見えるようになっちゃったりするのですが、そこで彼が讃えていたのは、アッラーの神様じゃなくって、「サイババ」様でした。って、あのアフロの人ではないみたいですが、思いっきり偶像に向かって歌い踊ってました(笑)。


ヒンズー教徒とイスラム教徒のものすごい衝突がボンベイで起きたのは1990年代。1970年代に作られたこの映画では、3人の兄弟が違うバックグラウンドを持って育てられたという設定にはなっているものの、その違いから起きる衝突やら和解という伏線が話に登場することも全くありませんでした。ひと昔の前の世界は、それほど原理主義でもなく、もっと宗教がゆるーく共存していたのかもしれないなぁ〜、ヒロインの女の人のファッションも、眉毛細くてソフィアローレン風だし、不思議な感じ。いつまでも続く歌と踊りを時に早送りしながら、でも親子の再会シーンではちょっとうるっときたりしながらの長丁場映画鑑賞でした。