愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

タカティーニ?


ダンナが
「トニー・ターカティーニという映画をやっているから見に行こう」という。
「??イタリア人の映画??」と思ったら、
トニー滝谷」であった。
村上春樹のこの短編は読んだことがあったが、
話の筋をすっかり忘れていて、
「ジャズミュージシャン」の話と思い込んでしまっていた。
とても短い話だったと記憶していたので、
あれをどうやって映画にストレッチするのかも不思議だった。


20人入るかどうかという、小さな映画館での上映。お客は満杯。
最後から最後まで漂う静寂の中で、みんながみんな息を詰めていた。
途中で苦しくなってきた。
バックでは、8小節のテーマをこれでもかこれでもかとピアノが1時間ちょっとの間
ずっと繰り返すので途中でちょっと切れそうになった。
宮沢りえちゃんがとてもキレイで、彼女がきれいなお洋服を着ているのを見るのは
とても好き。
しーんとした幕切れに、お客も「・・・・・」と静かに出て行った。


なんとなく、無口でたんたんとした人と一緒にお食事をして、挨拶もそこそこに
お別れし、「えーっと・・・?」と変な気持ちで家路に着くような気分。