愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

さいきんよんだほん


PinoちゃんがBookbatonでおすすめしてくれた本、たまたま図書館で借りてました。


博士の愛した数式

博士の愛した数式


博士の語る美しい数字の世界・・・小学生のころから学校の算数がつらくてわからなくて泣いていたスーパー文系の私にとっては、数字が芸術や哲学として扱われる世界は新鮮であり、オドロキ。結局学生時代、最後まで数学に親しめなかったことで、宇宙の真理に近づく機会を永遠に失ってしまったような残念感と、数学がこんなわくわくするものなんてちっとも教えてくれなかった学校に対する恨み(?)はいつまでも残っているような気がします。鶴亀算のバカ!こんなんで、昔は本当は天文学者になりたかったなんて・・・(笑)。記憶障害を持つ人の物語、ということで、読みながらアダム・サンドラーの映画「50 First Dates」(id:Marichan:20040811#p1)を思い出しました。限られた時間の中で、色々な経験や会話を共有していくのに、その時間は積み上げられずにまたリセットされてしまう。その緊張感、記憶障害を忘れて経験を共有している最中の幸福感、でも結局はあなた誰?となってしまう喪失感。映画は主人公が若くて可愛い女の子で、そんな中でも未来に向かって記憶を積み上げていくコメディ映画だったけれど、この物語は、残り少ない人生が終わってしまう前に、博士の過去の記憶から何かを得ることで、逆にまわりが救われようとするんじゃないか、そんなお話。だから最後にはなんとなくさびしさが残りました。