愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

寝ぼけフルート


先週はレッスン日以外ほとんどフルートを触れず、今日は疲れて頭もぼわんぼわん、眠くて目もしょぼしょぼしていたので、滅茶苦茶になると思われた今日のレッスン。でも逆に、何も考えられなかったことが良いほうに出たらしく、体のどこにも力が入らず、夢の中にいるような感覚でとてもリラックスしつつ、全ての表現をコントロールしながら吹くことができて自分でもびっくり。周りを意識することなく、邪念も持たずに演奏すればこんなにうまくいくのね・・・。これからフルート吹くときは徹夜でもしようかしら。


エネスコの「カンタービレとプレスト」はもうおしまい。「のだめ」でピアノの先生も言っていたけど、曲は一度ちょっと寝かせておくと、本当に後で熟成されたりするのだ。時間が経つにつれて、気負いがなくなったりするからかな。演奏しない間も、頭の中でずっとその曲がなっていると、次に吹いたときに動かなかった指が面白いくらい動くことも。


次の生徒が来なかったので、結局先生と1時間ぐらい音楽事情やフルートについておしゃべり。考えたら日本って良いフルートメーカーがたくさんあって、フルート大国なのかしら。ヤマハは言うまでもなく、ムラマツフルートは、大きな会社として楽譜も売っているし、季刊誌もあるし、マスタークラスやコンサートなど、フルーティストのために色々なことをやっている。初めての人がフルートやりたい!と思ったら、それをがっちり受け止めてくれる受け皿やリソースがたっぷりある。アメリカのメーカーはフルートを作るには作るけど、作って売るだけでそこまではしないそう。思えば日本は子供がピアノやバイオリンを普通に習ったり、少なくても音楽の時間に楽譜の読み方を習ったり縦笛やピアニカを吹いたりして、アメリカの普通の子供たちより音楽に触れる機会は多いのかもしれない。良いコンサートもたくさんやっているし、普通の人たちがそういうコンサートに普通に行く。こちらでは、どうしてもクラシック音楽ってお金持ちの道楽になりがち。特にサンフランシスコは子供が少ない上に、生活していくだけでお金がかかるような土地だから、ピアノを持っていない家庭のほうが多いし、お金をかけてレッスンに行かせる・・・というふうになかなかならないらしい。アマチュアが参加できる地元のオーケストラっていうのもサンフランシスコでさえそんなに無いしなあ。


先生がFerroudというフランスの作曲家が作った、無伴奏の東洋風の曲の楽譜を来週持ってきてくれるそう。それまでは、時間稼ぎにゴーベールの「ファンタジー」をやることに。