愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

 藤沢周平:用心棒日月抄 


用心棒日月抄 (新潮文庫)

用心棒日月抄 (新潮文庫)


「用心棒」シリーズを3冊ほど読む。最近は天気が良く、午前中などはからっとしたカリフォルニアのような天気なので、休みの日にはベランダでコーヒーでも飲みながら読書をするという乙なことも。英語の本は、今まで知らなかった世界を体験したり、新しい情報を仕入れたり、話の筋そのものを楽しむために読むことが多いけれど、日本語の本は、その雰囲気や気分を楽しみたい時に読むみたい。なので、英語の本を二度読み返す、というのはよっぽど話の筋を忘れた時ぐらいしかしない(多分Boris Vianの本は別だけど)。でも日本語の本は、「ぴしっとした気持ちになりたいときにはこの本」とか、目的別に読み返すことが多いかもしれない。


本を読んでいてそこに出てくる食べ物や台所の風景にそそられることも多い・・・。それはかならずしも食べ物が話の中心にすえられている場合ではなく、主人公が誰かと話をつけるためにそば屋に行き、「盛りそばを2枚頼んだ」とか、「用心棒」シリーズでは、甘酒屋で密談したり、「甘辛く煮た玉こんにゃくを喰べながら」藩の大事を話し合ったり、また主人公が用心棒としていった家では、少女が台所で「きちんと魚を焼き、酢の物を作り、豆腐の味噌汁までつけて出した」といったちょっとした記述だったりする。というわけで、月曜の夜はきちんと飯を炊き、キンピラをこしらえ、牛肉を佃煮にして、翌日の弁当にしたのでした。