愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

Angels and Deamons by Dan Brown


ダンナのコレクションから拝借して読み始めたら止まらなかった。おもしろい! ちょっと前に、こちらで「Da Vinci Code」というミステリー小説がものすごく売れたのだけど、これはその前作。お話は、スイスの科学研究施設で、ある科学者が殺されるのだけれど、その死体には、ある団体の存在を示す焼印がしてある。で、この団体というのが、ガリレオコペルニクスも所属した、カトリック教会の迫害に耐える科学者の会「Illuminati」という秘密結社。でもこの結社は大昔に滅亡したはずなのになぜなぜ?ということで、40代、独身、ダンディーでスポーツマン、ハーバードでシンボル学を教える教授という、アメリカ人中年の理想像みたいな主人公が、その謎を追う!というもの。


このIlluminatiを名乗る犯人は、科学者のラボから「Antimatter(原子の反対の性質を持つもの?かな?)」を盗み出し、それを使ってバチカンを爆破して、今まで迫害されてきた何百年の仕返しをしてやろう、と脅すのだけど、このAntimatterは、ビッグバンのもとになるものだということで、あれ、じゃあ聖書の創世記はどうなるの?というわけで、科学と宗教、倫理ということも考えちゃう話。そしてIlluminatiは、ローマにある彫刻とか、色々な芸術作品に秘密のコードを埋め込んで、自分達の居場所を示しているので、それを追って主人公がローマの街を右往左往するのも面白い。科学・宗教・芸術・ローマ観光案内が楽しめちゃう本でした。日本語版も出ているようで、ローマに旅行に行くときに読んだら面白そうです。


Illuminatiとか、フリーメーソンとか、秘密結社って、今でも政治や経済の世界に影響を与えているといわれますが、どうなんでしょう?この本にも書いてあったけど、1ドル札の裏に印刷されているピラミッドの絵と、その上に浮かぶ目のイラストは、フリーメーソンと、その組織に食い込んだIlluminatiのシンボルなんだって。うーむ。DCのモニュメントもオベリスクだったりするし。我が家の周りにもいくつかフリーメーソンの集会所はあるけど、こないだうちの音楽学校でやったチャリティ晩餐会でその場所のひとつを使わせてもらったりしてたぞ。ニューヨークの田舎のほうで、パパがフリーメーソンに入ってたという人がいて、そこで何してるのかというと、「えー、ただ集まってカードをやったり酒飲んだり、なんかおっさんの集まりだった」そうな。でもDCの場合は、そこでやっぱりいろんなDealが話し合われたりしてるのかも?!