愉快的陳家@阿拉米達島

ちょっと雑だが愉快な暮らし。サンフランシスコ・ベイエリア日記

ロンドン2016 ㉟ 素人がミシュランスターレストランの厨房に立ってみた、その3

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メインの料理もだいぶ落ち着いてきて、厨房がだいぶ落ち着いてきた矢先、ペイストリーセクションに呼び戻されたわたくし。

メインの厨房と別になっているペイストリーセクションは、流れる時間もメインのところとは少し違っていた。

デザートは最後の最後なので、みんなが落ち着く時間になると急に忙しくなる!

デザート担当は、名前を忘れてしまったパンも担当しているにいちゃんと、紅一点のお姉ちゃんのふたり。

火を使って暑い暑いメインの厨房に比べて、冷たいデザートも扱うこの厨房は涼しめで、流れる空気ものんびりしている。

私が盛り付け方を教えてもらったのは、私も前回お客として訪れた時にいただいた、こちらの「パフェ」など。

ご覧の通り、色々なアイテムが乗っているこのパフェ。

この写真では見えないけれど、まずパレットナイフでキャラメルソースをお皿に塗りつけて広げ、その上にクッキーみたいなのの粉になったのを散らす。

丸いのが「パフェ」で、生クリームなどを冷やし固めたものだけれど、アイスクリームというわけでもない不思議なもの。これをポン、と置き、チェリーのシャーベットはスプーン2本を使って形を整えながらスクープして置く。

チェリーソースをポン、ポン、と水玉状において、2種類のクッキーの砕いたものも並べ、私が一生懸命種を取ったチェリーも置く。

最後に、チョコレートのクラッカーを適当な形に割って、パフェにブスブス刺して安定させて出来上がり。

実に一皿に9アイテムが載っている!!

冷たいデザートだし、注文がきてからこの材料をいちいち出したりしまったりして盛り付けないといけない。

こういうキッチンのオーガナイズの方法は、そのシェフの個性が出るみたいなのだけれど、このキッチンも盛り付けに必要なアイテムがあちこちにとっ散らかって置いてあって難儀した。

散らかっている訳ではないんだけれど、お皿に載せるクラム、クラッカー、クッキーの割ったやつ、全部置いてある場所が別々、それもキッチンの右側と左側に置いてあったりして意味不明。

それで結構おしゃべりしながらのんびり盛り付けるので、時間がかかる。そういえば先週デザートでてくるまで結構待ったのを思い出した。

頼んだデザートが出てくる前に、デザートの前菜みたいなのも出てくるのでそれで時間に余裕がある、というのもあるとは思うけど・・。

という訳で、デザート盛り付け、全て終わったのは夕方4時。ハァ〜さすがに疲れました。

実はこの後、ディナーシフトもやっていく?と聞かれて、やる気満々だったのだけれど、終わって腰を下ろしたらもうぐったり。

この後さらに夜9時ぐらいまで働いて、そこからタクシーのって電車乗ってロンドン戻るのか・・と思ったらもう無理です〜、ということになってお仕事はこれでおしまい。

レストランはディナーが終わってもディープクリーニングもあるから、夜中の2時まで何かしらあるそう。翌日のパンの仕込みは夜10時からだって。

メインの厨房も、ランチが終わったら休憩という訳でもなく、チキンストックを作ったりといろいろ仕込み中。

ペイストリーの方ではお姉ちゃんがパンの兄ちゃんに「夜も長いし今のうちに外の空気を吸っておいで」と気遣ってたのが印象的。

この後、そういえば仕事中存在をすっかり忘れていたヘッドシェフ(そういえばいたっけ・・?!w)と、スーシェフと色々おしゃべりして、タクシー呼んでもらって帰路についたのでありました。

すごく疲れて、翌日は午後まで起き上がれなかったけれど、めちゃくちゃ楽しい経験だった。まさか自分が入れると思っていなかった、ハイエンドなレストランの厨房。シェフたちも、レストランのスタッフの皆さんもみんな優しくしてくれて、このまま翌日も戻って働きたい・・と思ったほどw いや、実際に働くとなると現実はそんなに甘くないのはわかっているけれど。

でも美味しいものを作る、という一つの目標に向かって、限られた時間の中でみんなが一丸となって働くことへの充実感というのがすごかった。仕事中に出たアドレナリンを鎮めるのがすごく大変だったのでした。

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加工したら変なことになった、なんだこのセルフィーww

次回はレストランネタ最終回。実際に厨房に入ってみて気づいたこと面白かったことなどを。

ヒヒの血!父の日!

なんだかものすごい猛暑になっているベイエリア。
ここのところ36〜37度はアタリマエ〜。

そんな中で停電が起きたり、エアコンがぶち壊れて電気屋が大忙しだったりと、なかなかインフラが弱いところを露呈しておりますが、私の住むエリアは夜は涼しい風が吹いたり、そこまで恐ろしく暑くはなりませんでした。

でも暑いのには変わりなかったため、週末はほぼ水の中。

土曜日はフリモントのウォーターパークへ。

Aqua Adventure Waterpark

ここ官民経営ぽい感じのところで、市営なんですが、フリモント銀行とか、地元のスポンサーもお金だして作ったところらしい。

流れるプールに、ウォータースライダー4つ、小さい子用の遊具付き水遊び場などかなり充実。

食べ物持ち込み禁止で、中に売店あり。スナックや水は殺人的に暑かったので多少持っていきましたが。

わが島は海が近いからビーチもあるし、そこまで暑くならないからか、こういう施設は無いんですが、内陸のほうはほんっとに暑くなるから、こういう施設が結構色んなところにありますねぇ。

日曜日はバークレーの山の中にあるLake Anza

混んでいて駐車場は満杯。停めたところから歩かないとでしたが、その時点で溶けそうというか暑すぎて吐くかと思った。

特に車って乗ると暑いし、エアコンは異様に冷たいし、体調が悪くなる〜。

しかし冷たい湖の水に入ったら、そんな気持ち悪さはすっ飛んで、細胞がキュッと締まる感じに気持ちよかった。

外は暑いが水は冷たく、サウナと水風呂の交互浴みたいな感じに。

帰り道は、学校でプールに入った午後を思わせるようなけだるい気持ちよさがありました。

山から降りて父の日の家族飯は、広東料理やめようステルスキャンペーン実施中の義理兄の采配で、北京ダック!

って、ほとんど子供達ががーっと取ってがっついちゃいましたがw

むかーしむかし、今のロケーションになる前に行ったことがあるGreat China、今は内装もモダンになり、他の料理もなかなか良かったです。

ロンドン2016 ㉞ 素人がミシュランスターレストランの厨房に立ってみた、その2

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仕込みが終わり、一人高級まかない飯を食べた後で厨房に戻ると、またカナッペ(前菜)セクションに呼び戻された。

このセクション担当は、ちょび髭のポルトガル人C君と、黒縁メガネの今時のワカモノT君、そして時々手伝いに下っ端19歳のS君が入る。

材料の準備が済んだ後、C君が色々な前菜のプレーティングの仕方を教えてくれた。まずステンレスの台の上にテーブルクロスを丁寧に折りたたんで置き(すべり止め)、その上に皿を並べる。

最初に教わったのは、お客さんがラウンジで待っている間にお出しするアミュゼの盛り付け。


(前週お客として食べに行ったときに撮った写真)

四角い箱になっている皿の中は玄米が敷いてある。

そこに人数分の、パリパリに焼いてある鶏の皮を置き、スクイーズボトルに入っている自家製マヨを水玉模様に置く。

その後、プラスチックの容器に入っている、卵の黄身の燻製をおろし金でおろして上からかける。

また台の下の引き出し冷蔵庫に入っている小さなゴートチーズのマカロンも人数分並べる。

セビーチェは、注文を受けてから、冷蔵庫に入っている材料をいちいち取り出し、作業台の上に置いてあるソースに混ぜて少し置いてから、れんげに盛り付ける。

セビーチェはライムの酸味で殺菌効果もあるんだよな・・と思い、注文が来てからちょちょっとマリネしてからじゃ遅いし味がしみない気もするし、最初に全部マリネして置いておいたらダメかと聞いたけれど、注文を受けてから混ぜろとのこと。ふーん。

アミュゼの他に、うなぎ(イギリスでもうなぎを食べる)のプレート、カモのプレート、サーモンのプレートなど、前菜メニューの中から数種類盛り付けを教えてもらった。

The restaurant is closed today but our Head Chef Tom is busy preparing a beautiful salmon dish for our VIPs ...

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当日写真を撮る余裕などほとんど全く無かった。これはお店のインスタから。

そうこうしているうちに、お客が入ってきたみたい、伝票の機械がジージー音を出して、注文を吐き出し始める。

アミュゼの四角い容器が私の前に3つほど並べられ、こっちは3人分、こっちは4人分、こっちは2人分作って!と早速丸投げされる。

お、おう・・・とさっき教えてもらった方法を反芻しながら鶏の皮を並べ、マカロンを並べる。マカロンを容器から出してみると、形が崩れてるのとか割れてるのとかクリームがズレてるのとか、結構使えないのが多い!!とりあえず壊れてるやつをいくつか廃棄。

盛り付けが終わると、その皿を配膳台に置く(下の写真の台・・なんて呼んでいいのかわかんないけど窓口みたいになってるところ)。

ここにはスーシェフが待ち構えていて、オーダーの確認、料理の進捗状況のチェック、出来た料理の内容チェックをする。

私が最初に持っていったアミュゼは、セビーチェの上に載ってるハーブが多すぎ、とちょっとハーブを取り除かれた。家庭料理の感覚で、セビーチェにしろ薬味にしろ、どうもどばっと山盛り置いてしまうのだけれど、こういうレストランではハーブの葉っぱは1〜2枚とか、本当にちょびっとしか使わない。

チェックが済むと、ウェイターがさっと持っていく。

そうこうしているうちに、食事のオーダーも入って来る。スーシェフが「オーダー、肉3、魚4・・・」と注文をずらずらと読み上げ始める。そうすると全員がビストロスマップみたいに「Oui~!!!」と叫ぶ。おおお、さすがおフレンチレストランや!

注文が入るたびにこれが繰り返され、蒸気と熱気がこもるキッチンから「うぃ〜!」の声があがるが、「ウィ、ムッシュ!」と歯切れよくというよりは、なんだか野球部の練習の時の声がけのような、滅茶苦茶威勢は良いが間延びした感じである。

その返事もなぜかだんだん「うぃ〜」ではなく、「うぃらぁ〜!」と、野球部がノックの練習でもする時に言いそうな意味不明な音声に近くなってくる。

ありゃなんだったんだろう・・・って、その時に聞け!って話であるが、次から次へと伝票がジリジリと出て来るので、本当にお喋りしている暇なぞ全く無かったのであった。

注文が入るとオーダー何人、ってスーシェフが読み上げ始めるので、その数字を聞いてアミュゼの盛り付けをだーっとやっていく。結局その日のお客さんのアミュゼ、8割位は私が並べたと思う。

とにかく慌ただしい雰囲気の中、自分もすごく集中してプレーティングをしていたみたいで、途中ものすごいトンネルビジョンになっていることに気がついた。こんな集中力、出産でいきんだ時以来じゃないだろうか・・・!

それにしてもキッチンは滅茶苦茶暑い。さらに私、ロンドンに観光客として滞在して既に2週間ちょっと、前半飛ばしすぎてロンドンの街を毎日何キロも歩き回っていたので、後半になって実はだいぶ疲れがたまっていた。キッチンに立っているとアドレナリンがどわーっと出てそんなことも忘れていたけれど、4時間ほど立ってふっと気がついたら頭がグラグラ・・・。

C君にみ、水・・・と訴えると、その後スパークリングワインの大瓶を何本も持ってきて飲ませてくれた。ぶっきらぼうっぽいけど実は優しいC君なのである。

アミュゼが一段落すると、前菜の盛り付けも手伝う。最初は頼まれた分をやっていたけれど、タルタルなどの盛り付け方はだいたい覚えたので、自分ができる料理のオーダーが読み上げられると勝手に皿を並べ、率先して仕事できるようになった。

前菜はどれも盛り付けに必要なアイテムが一皿に最低8種類ぐらいはある。そしてその材料が、キッチンのあちこちに点在している。

材料は料理別というより、食材(ハーブとか肉とか)別に格納されているので、一皿作るのにあっちこっちに行って材料を集めないといけない。

そして目指す引き出しや扉の前には他の人が立ちはだかって作業をしていたりするので、「ちょっと、右に3歩ずれて!」とか「後ろ通ります!」とかいちいち叫ぶ。

うなぎの皿には、ちょっと和風テイストも加える感じで、冷凍してあるワサビの根っこをおろし金でおろしてかけるのだけれど、厨房にはなぜかおろし金が一個しかない。別のメニューで卵の燻製をおろすのと共用である。それをあっちこっちで誰かが使って置いておくので、おろし金どこだ、貸せ、といちいち騒がないといけないw

ようやく奪還したおろし金で必死にワサビをゴリゴリおろしていたら、おろし金の部分が枠からぼこっとはずれて皿の上に落ちた。ギャー!「ああ、大丈夫、これよく外れるんだよね」ってもっといいやつ買えやー!

いちいちオーダーが来ると材料や器具をあちこちから出してはしまい、時にはアレは一体どこだ、右へどけ、左へ動けと叫び、なんだか無駄な動きが多い気もする。

自分の盛り付け担当料理が自然と決まってきたので、それに集中して忙しく立ち回るも、気分的にはずいぶん落ち着いてきて、淡々とこなせるようになってきた。一方、注文がどんどん入ってきて厨房内でのプレッシャーは逆にだんだん高まってくる。

スーシェフが「鴨、あと何分で出せる!サーモンは!」と叫び、C君が「あと3分!」と叫び返す。

気がつくとT君が後ろでブツブツFワードを言いながら、ガンガン台を蹴っている。おうおうどうしたと思えば、「ファックミー!ファックミー!」と自分に悪態をついているw

C君はといえば、下っ端のS君の両肩に手を置いて、「おい、俺を見ろ、俺を見ろ。いいか、落ち着くんだ」と、ボクシングのセコンドがボクサーに言い聞かせるように何か説教しているが、肝心のS君のほうはブツブツ口答えしつつも、表情は彼のほうが随分落ち着き払っている。逆にC君が何をそんなにストレスアウトしているのか、良くわからない。

この厨房にいるシェフ全員、多分みんな私より年下。ちょっとストレスアウトすると、とっても簡単にお口からFワードが飛び出してくる。でもアラフォーにもなると、色々なことに驚かなくなるのか、そこまでわーきゃー言わなくても、大丈夫じゃね?などと逆に思ってしまうww

自然とアミュゼ係になった私、お客さんにアミュゼが出されると、スーシェフが立ってる横の壁に張ってあるお客の予約リストと照らし合わせて、アミュゼ済みの印をつけていく。

印を付けるのにボールペン誰か持ってないのと叫ぶとT君がポケットからペンを5−6本ぞろぞろと出してきて1本貸してくれた。そこへC君が「なんでそんなにペン持ってるんだよお前〜」と茶々を入れ始めたところでスーシェフが雷一撃。「Stop chatting like fucking school girls! さっさと仕事にもどりやがれっ!!」あー怒られてやんの!私心の中で大爆笑ww

こんな感じでランチタイムのサービスは進んでいく。

私がさっき座ってまかないを食べたChef's Tableにも予約が入っていて、お客さんがキッチンの様子を見ながらランチしている。カナッペセクションは彼らからはよく見えない場所にあるのだけれど、いかにも素人然の私がキッチンからひょっこり出てきたのを見て(ジーンズにエプロン姿だしw)、ちょっとビックリした顔をしていたw

それにしてもこんなにプレッシャーいっぱいで忙しい厨房に素人を入れたり、それをお客さんに見せるテーブルを作ったりして、シェフには迷惑じゃないのかなぁと最初はちょっと思ったが、どうしてどうして、何となく彼らはそういうオーディエンスがあるのをちょっと楽しんでいる感じもする。

時間との闘いでもあるけれど、そんな中で働くとなんだか変なアドレナリンが出てちょっとハイになる。そして忙しく立ち回る厨房はある意味彼ら舞台。観客の目があろうとも、口の悪いのも止まらないw

それにしても、お客、一体何時までランチしてるんだ!注文がなかなか止まらない。でも3時が過ぎた頃、ようやくメインの厨房も静かになり始めて、一段落。やれやれ。

・・・と思ったら「終わったの?」とまたペイストリーセクションに連れて行かれた・・・えぇー、まだ終わんないのw

・・続く!!!!

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ロンドン2016 ㉝ 素人がミシュランスターのレストランの厨房に立ってみた、その1

ロンドン滞在も終わりに近づいてきた土曜日の朝、私はひとりパディントン駅から電車に乗り、またレディングへ。

レディング駅からタクシーに乗り、その前の週末に訪れたフレンチレストランに向かったのでした。

正面のドアをドンドン・・・。
誰もいない。閉まってる!

時間は朝9時前。ウェイトスタッフがいるわけが無かった。

裏に回り、おそるおそる、キッチンへ。

「あの〜すみません、ここで修行させて下さい」

「何、ここで修行がしたいだと!ならば包丁さばきを見せてみろ」

先日もさっとしたナイフスキルのクラスで学んだ技術でもって、私見事合格。

スーシェフに任命されました!


・・・・・・
・・・


…というのは冗談!そんな話だったら良かったんですけど!w

ちゃんと事前に申し込みをしてミシュランスターレストランの厨房で、ランチシフトに働かせてもらうという、非常に得難い経験をしてきました。

素人なのに、いいの?

いい〜んです!

なんか知らないけどこのレストラン、太っ腹!

レストランの中には、Chef's tableといって、厨房の中にテーブルをしつらえ、お客さんが厨房の様子を見ながらご飯を食べられるサービスを提供しているところがあります。

しかしこのレストランではさらにその上を行く「よろしい、厨房に入れて働かせてあげましょう!」という、料理が好きでたまらない人はまじで涙ちょちょぎれもんのサービスを提供していたのでした。

普通の料理教室では飽き足らない人には、もう最高!!

Food Networkやらそれこそ「Chef's Table」という有名シェフ達のドキュメンタリーやら、色んなシェフの本を読んだり、レストランを家業にしていた家族の話を聞いたりしてここ十数年過ごしてきたせいか、私、気が短いシェフ達に囲まれ、Fワードが渦巻く厨房で、スーシェフに怒鳴られながら、熱気とプレッシャーの中でヒーヒー言いながら働いてみたい・・・というあらぬ妄想を抱いておりました。

それがまさかそれが現実のものになるなんて・・・!

タダ働き?いえいえ、お金は払いますよ、こっちが!ww

働かされる上に結構なお値段お支払までしないといけませんが、いいんです、本当に得難い経験だから!

今回レストランの厨房で働いてきた話を後で友達にしたら、それこそ私が道場破りのように厨房のドアを叩いて乗り込んだと思って皆エキサイトしていましたが、いや、お金払ったというとすごーくがっかりした目をされました。

言ったら大人キッザニア?いや、でも実際かなりがっつり本気で、精根尽き果てるまで働きました。

レディングにあるフレンチレストラン、L'Ortolanは12年ミシュランスターを維持しているレストラン。

1990年代、「Chef!」というレストランを舞台にしたコメディードラマがBBCで放送されていたのですが、シェフ役の俳優さんもこのレストランで料理の手ほどきを受けたんだそうです。昔から素人さんいらっしゃ〜い!的な雰囲気があったのかもしれません。

現在のヘッドシェフのトムさんは結構若いお兄ちゃん。このレストランの生え抜きで、おフランスももちろん修行してきたそうです。彼に厨房を案内してもらった後、衛生上の注意書きが書いてある書類に目を通し、サインをします。

素人を厨房に入れるなんて、レストランのリスクが高くないかな〜と思うんですが、「機材とか壊れたら保険に入ってるから大丈夫」なんだって。そんなもんかい?衛生上のお約束も、料理をやっている者なら常識の範囲の話。

お店のロゴが入った黒いエプロンを貰い、キッチンについている手洗い用のシンクで手を洗いさらに消毒をして、早速お仕事開始です。

他のシェフの皆さんは朝6時頃から出勤、昼の仕込みを始めています。結構人数は少なくて、メインのセクションに2人、オードブル(前菜)2人、色々手伝う下っ端(19歳)ひとり、ペイストリーとパン担当2人、スーシェフにヘッドシェフ、ぐらいだったか。テーブルは20以上はあったと思う。

まずは仕込みをだーっと手伝いました。

パンとデザートの仕込みの手伝い。

メインのキッチンから離れたところにペイストリーとパン用のキッチンが別にあります。デザートが溶けたらいかんから、ここは空調がきいている!

実は前週このレストランでご飯を食べた時、まず感動したのがパン。多分お腹が空いている所に焼きたての暖かいのが来たから美味しさが3割増しぐらいになったとは思うんですがw 

パン職人のお兄ちゃんにあんたのパンは美味かったよ〜!と褒めちぎりながらのお仕事。兄ちゃん、実はパン作りは最近になって始めたんだそうです。この時点では、まだわいわいお喋りしながら仕事する余裕があった・・。


★ 写真の一番上の丸いパンの生地を、右手と左手に一個ずつ持ち、それを台の上に押し付けて丸くコネコネ成形。結構難しい。

★ 他のパン生地を、一定の重さに切り分け、終わったらラップをかけて二次発酵させる。

★ パフェに乗せるチェリーの種取り。まずチェリーのヘタの部分を切り、プラスチックのスプーンの柄で実が壊れないように種を慎重にほじくる。もっといいツールを使うのかと思いきや、すごくやりにくい。壊れたやつは食べる。時々無理にほじくると、種がぽーん!とキッチンの向こうに飛んでいくw

カナッペ(オードブル・前菜)セクションに連れて行かれる

チェリーの種を20個分ぐらい取ったところで、カナッペセクションのシェフが「ちょっと、手足りないから終わったならこっちに貸してよ」とメインのキッチンに連れて行かれる。

ペイストリーセクションは、パン担当の兄ちゃんと、唯一紅一点のペイストリーシェフのお姉ちゃんがいたのだけれど、他の料理のセクションと違ってパン焼いたりケーキ焼いたり自分のペースでやっているせいか、マイルドな雰囲気で、仕事もゆったり教えてくれた。そんな中でやっと仕事に慣れてきたのに〜。

カナッペセクションはメインのキッチンの中でも一番オラオラ、とんがってる兄ちゃん2名が担当。

★ セビーチェのソース作り。シェフの兄ちゃんが、油性マジックでステンレスの台の横にソースに必要な材料と分量を書いておいてくれるので、それを見ながらライムを切って果汁を絞ったりしたものを、プラスチックのスクイーズボトルに入れ、シャカシャカ混ぜる。

★ 何かわからないハーブをぽんと渡され、この葉っぱを50枚取ってと言われる。結構色が変わっている葉っぱも多いので、綺麗なのを選んで取るのにものすごく時間がかかった。そうしたらそれをみじん切りにしてと言われ、鴨肉に添えるチャツネソースに入れるもんだと後から知る。そんなんだったらもう少し適当にやればよかった。何か頼まれたらその用途など内容と背景は聞いておくに限る。

★ チャツネソースも作る。鴨肉に添えるポーチドピーチも切り分ける。

★ ライムを切ったりハーブをみじん切りにしないといけないのに、渡されたナイフが全然切れない。これはキッチンに置いてあるナイフだけれど、皆は自前のナイフ(日本製が人気)を色々持っているので、そっちの手入れはしっかりしていても、キッチン据え付けのナイフは使わないからか、ライムを切るのさえ歯が立たない事案発生。「ちょっと!これ切れないよ!」と兄ちゃんに研いでもらう。それでも微妙だったがなんとかやる。

★ とにかく仕事を頼まれるが、材料にしてもどこに何があるか知る良しもないので、黙って指示待ちしていると何も進まない。アレどこソレどこ、どこに置いて欲しいのとうるさく聞きまわる。出来たら出来た、次なんだ、というふうに仕事をどんどん取っていく。

★ 前菜は事前の調理や仕込みは既に終わっていて、オーダーの後で火を使うことは無かった。台の下の引き出しのようになっている冷蔵庫の中から、真空パックみたいになった調理済みの材料が出て来る。薄切りにした大きな輪切りのスイカを、炭で焼いてステーキみたいにしたものも真空パックに入っている。それを前菜用にサイコロ状に切る。

★ 真空パックにしたものには、何曜日というステッカーが張ってある。キッチンの壁のところに曜日がついたステッカーのロールが備え付けてあり、下っ端の19歳の兄ちゃんが、何か下準備しては、そのシールを張っている。

★ カナッペセクションの兄ちゃんは口が悪い。下っ端の子が何かしたのか「オイお前こんなサーモンの切り方あるか!ふざけんなテメー」みたいな感じで怒っていたり、何かしらFワードが聞こえてくる。ただし、言っていることはそんなに間違っていないのと、ちゃんとした仕事をしたいのだなというのはわかるのと、アラフォーにもなるとワカモンがちょっとそんな感じで荒ぶっていてもあんまり驚きもしなくなるのか、特に動じず、というより「ああ、これよこれ・・」と内心ほくそ笑む。

★ 前菜のビーフタルタルの盛り付け方を教えてもらう。生のビーフをセルクルに入れて形を整え、その上にスクイーズボトルに入っているソースをちょっちょっと載せ、さっと火を通してあるしめじ的なキノコを2〜3本、薄切りにしたラディッシュ3枚、カリッと焼いたパンのかけらを2−3枚突き刺し、そしてカイワレ的なスプラウトをちょびっと載せる。一個一個載せる量はほんのちょびっとなのに、一皿作るために6工程かかる。

厨房で働いてはいるが一応お客さんなので、そうやって作り方を教えて貰ったやつをキッチン横に設置されているテーブルで食べさせてもらう。とんがってる兄ちゃんのひとりが説明してくれた上に丁寧にサーブしてくれる。みんなが働いている時にすみません。

ちなみにこのテーブルは、「Chef's Table」として、普通のテーブルとは別に特別に予約して厨房を見ながら食事できるスペースとして、普段は提供されている場所。

花形、メインディッシュセクションは見るだけ

食べ終わったら次はメインのセクションに呼ばれる。テーブルの向こうに見えるのがメインの場所。ここにはバーナーというか、大きな鉄板がどーんとある。ガスバーナーは、特にフライパンなどを載せる「ごとく」があるわけではなくて、色んな大きさの穴が空いてるだけ。そこから火がぼーっと吹き出している。ダイヤルをねじって火加減調節とかではなく、そこにフライパンなり鍋なりを載せたり、穴を塞いだり、違う場所に鍋を置いたりして温度調節をしているらしい。すごく暑い。

ここには天井に頭がついちゃうんじゃないかという位の2メートル以上ありそうな背の高い兄ちゃんがいる。ここではSea Bream(鯛?)の焼き方を教えてもらう。皮を下にして、肉の色の輪がここまで変わってきたら出来上がり。ひっくり返すことはしない。

こうやって焼いた魚もまた食べさせてもらう。お客さんが来る前に腹ごしらえといった感じ。

メインセクションはさすがに火を使うのと、メインの火の通し具合などをどれだけできるのかわからない素人に任せるのもアレだろうしで、デモンストレーション的に見せてもらうだけだった(多分これはスキルレベルにもよると思う、厨房の経験あるならやらせてもらえるかもしれない)。

このスズキは前週旦那が頼んでいてとても美味しかったので、今回食べられてラッキー!

自分で食べるついでにデザートの盛り付けも

メインを食べたところで再度ペイストリーセクションに呼び戻される。

さっきはパンだけやったけど、今回はデザートの盛り付けを、ペイストリーシェフのお姉ちゃんが教えてくれる。

デザートのお皿も、フルーツだクリームだチョコレートだソースだと、既に用意されている材料を、それこそ何種類もお皿の上に乗せて盛り付けていく。あそこのタッパーの中にチョコレートの板が、あっちの台の上にソースが入ったチューブが、とあっちこっちに材料が点在しているのを、いちいちかき集めてお皿を作っていく。

このお店のデザートは美味しいんだけど量が多い。食べきれず。
それも言ったけど「そうなのよね、全部食べられないでしょ」ってそれでいいのかーい!

そうこうしているうちに、ウェイター、ウェイトレスの兄ちゃん姉ちゃんたちもぞろぞろと出勤してくる。片手にコーヒー、片手にオレンジを持って、それだけむしゃむしゃ食べている。ここのお店のウェイターの人達もイギリス人というよりは他のヨーロッパの人が多い。イタリア系、フランス系、多分ロシア人の兄ちゃんもいたかな。

仕込みも一段落して、お客さんが来るまでのちょっとだけ静かな時間、ウェイターの兄ちゃんがシェフの人達にコーヒーいるかい?と聞いて注文に合わせて淹れてあげたりしている。

私もこのスキにトイレに行っておく。

さて、お客さんがやって来てからがキッチンは戦場。果たして私はサバイブできたのか・・足手まといにはならなかったのかは、次回に続く!

キッチンと、お客さんが厨房を見ながら食事できる「Chef's Table(キッチンで働くのとは別のサービス)」を紹介したビデオはこちら。


L'Ortolan: The Chef's Table

レストランの全容はこちら。料理の盛り付けしてる左側の兄ちゃんが料理長のトムさん。

Michelin Starred, Luxury Dining Restaurant Video Tour - L'Ortolan

続く。
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ロンドン2016 ㉜ ロンドンの美味しいもの・中華編 

「今日何食べたい?」とまず子供に決めさせる時点で間違ってるんですけど、つい聞いてしまうこの質問。そうするとだいたい返事は「チャイニーズ!」になっちゃうのはわかっているはずなのに・・(苦笑)

麺好き、肉好き、あとなぜか中華だと野菜ももりもり食べる小さいさん。結局小さいさんの言いなりになり、ロンドンでも何度か中華に足を運ぶ羽目ことになりました。

ここがオススメ、というよりはたまたたま行った所の羅列になりますが、2016年に巡ったロンドンの中華は以下の通りです、ご査収下さい。

日本人サラリーマン御用達・Phoenix Palace

ベーカー・ストリートの駅近くにある中華料理屋さん。出先から家に帰るまでに晩御飯を考えるのが面倒になり、最寄り駅の近くにある中華料理屋に家族で入りました。

といってもこのお店、内装外装もそれなりに高級風。

高級(風)中華にも2種類あって、エキゾチック&豪華な内装を売りにそれこそ1950年代を彷彿とさせるような、白人の年寄りが行きそうなクラシックな高級中華料理店と、Hakkasanみたいな内装もメニューももっとモダンでスリックな感じの、海外で育った中華系のリッチなワカモノも行きそうな感じの高級中華料理店とあるのですが、ここのお店はどっちかというと雰囲気は前者。

トイレのドアからして、この扉をジェット・リーが開けたら中から矢がぶわーっと飛んで来るんじゃないだろうかと言う位の、故宮感、重厚感。写真撮れば良かった。

中も広くて、間仕切りがしてある向こうでは、かなりな人数の貸し切りパーティーの真っ最中。どっと笑い声がしたと思うと拍手が巻き起こるほど盛り上がっていましたが、そこから聞こえてきたのは日本語だったw

日本人サラリーマン御用達なんでしょうか、メニューにもばっちり日本語が書いてあったし、私達の斜め前のテーブルに座っていたのもどうやらロンドン駐在員+日本からの出張者っぽいグループでした。そりゃもう、思い切り会話に耳をそばだててしまいましたよw


確か豆腐を揚げたもの。


子供用に頼んだヌードルと、パパが頼んだ脆皮燒腩。チャーシュー的なものですが、ポークベリーを使い皮をぱりっと焼いてあります。家では「しぅゆっく」と呼んでいて、時々パパがオーブンで焼いて作っています。お皿も中華にしてはちょっと凝っている。こういうお花がちょいとついてるところからして、陳家が普段ベイエリアで行く中華にはないわ〜!


郷巴佬茄子。インゲンと茄子をチリオイルで炒めたもの。郷巴佬は田舎モン、ぐらいの意味。

内装はクラシック豪華風、ウェイターもチャイニーズじゃなかった。でもメニューは結構ちゃんと伝統的な広東風でした。飲茶もやってるようです。

www.phoenixpalace.co.uk

笛吹親父の店・Bamboo Flute

地下鉄Great Portland Streetの駅近くにある、こぢんまりした小さな中華料理のお店。多分テーブルの数も10あったかなかったか。

店の前に出ているテーブルで、老板が友達と既にビール飲んで出来上がっていましたw 

このお店は、何でももともとは中国の笛吹ミュージシャンだというおっちゃんが、俺料理も好きだ!と始めたお店だそうで、店の前でビールで赤くなってたおじちゃんがまさしくそのお方でした。こぢんまりした店の中には、そんなおっちゃんの記事や音楽関係のポスターも張ってあります。お店の内装も、中華っぽくないちょっとしたカフェ風。

実はしれっとトリリンガルなうちのパパが、北京語でオーダーしてくれました。


魚香茄子。茄子料理の中で私が一番好きなやつ。麻婆茄子みたいな感じのやつです。


宮保鶏丁。鶏肉とピーナッツなどを炒めたちょいとスパイシーな料理。アメリカのチャイニーズでもお馴染み、ちと辛め。


子供用には四素麺、お野菜の餡が載ったかた焼きそばも頂きました。どれも美味しかったっす。

黙々と食べる小さいさんにえらく感心したおっちゃん。お行儀よく食べてええ子でんな、と褒めていただきました。ずーっと食べてるので、食事中は静かなのですww

この斜め向かいぐらいにも、もう1軒小さいこぢんまりした中華料理屋さんがあります。こちらのほうがもっと昔ながらの移民がやってます風中華料理屋さん。そこは去年行きましたがそこもまあ悪くなかった。

www.facebook.com

おされチェーン、PingPong

昼間2人だった時に、ランチに飲茶が食べたい・・・と所望された小さいさん。まぢっすか、ロンドンくんだりまできて飲茶っすか、勘弁してくださいよ・・・!と家から歩いて行けるところにあったPing Pongに寄ることに。ここはロンドン市内に9軒店舗がある、カジュアルおされチャイニーズチェーン店です。私達はオフィス街もあるBond Street駅に近いお店に行きました。

ここは空腹で今すぐ何か食べないと倒れそうで目の前にこの店しか無い場合じゃなければ入らなくても全然良い。日本にもカジュアルなイタリアンのチェーンとかあるけど、あんな感じなので、わざわざ旅先で入ることは無いかも。出て来る飲茶もそこで作ってない冷凍風。


子供はがっつきましたw


デザートには悔しいので?ゆずのチーズケーキをオーダー。これは解凍しきれておらず、シャリシャリだったww

www.pingpongdimsum.com

街で見かけた、超クラシックな外装の中華料理屋さん。

中華と韓国料理の店。中華と寿司とか、アジア料理が2種類混じってるところは微妙ではあるんですが、北京を燕京と書いているあたり古風な・・!そして売りは、エアコン完備なところだそうです。

ロンドン動物園の近く、リージェントパークのところにあった中華料理屋さん。これはまたクラシックな!夜になるとぼわーんと光が灯って幻想的。多分中華系の人は行かなそうだけど・・。

とはいえ、ロンドンの中華も普通に美味しかったです(SF同様チャイナタウンの中華は微妙らしい)。ロンドンの中華シーン、昔からの移民も多いサンフランシスコとはまた違う感じで発展している感じがします。いわゆるクレイジーリッチな感じのチャイニーズはサンフランシスコよりロンドンとかニューヨークに行くし、そういうニューマネーや、新世代の中華系イギリス人の流れも踏まえた新しくてオサレなレストランもサンフランシスコより断然ある。

本当は滞在中そういう所にも行ってみたかったのですが、わざわざロンドンで中華食べたくないパパ、中華食べるなら別のところ行こうよ〜、となって実現しませんでした。