愉快的陳家@倫敦

ロンドンで、ちょっと雑だが愉快な暮らし。

2016ロンドン⑰ ロンドンキッザニアで今年も出稼ぎ

 

 

去年に引き続き、今年もロンドンキッザニアで合法児童労働してきました!去年はまだオープンしたてだったキッザニア、当時の様子はこちらから。

marichan.hatenablog.com

 今年はお友達のSちゃん、そしてSちゃんのご近所さんのスペイン3きょうだい、A君M君Sちゃんも参加して、大所帯で行くことに。

日本のキッザニアららぽーとの中ですが、ロンドンのキッザニアはShepherd's Bushにある巨大ショッピングモールWestfieldの中にあります。

日本のようには全く混んでいないので、チケットは当日出向いてそこで買っても全然大丈夫です。ただオンラインで事前に買って行ったほうが多少安くなります。

 

london.kidzania.com

 

午前午後の入れ替え制ではなく、入場した時間から滞在時間をカウントダウンしていく時間制なので、好きな時間から始められます。夕方行くと安くなるなど色々オトクなプランも用意されてました。

設定はどこのキッザニアも似たような感じでしょうか。これは出口のほうから撮ったブリティッシュ航空の飛行機。もう勝手知ったるキッザニア、まずは入管風の入り口で電子リストバンドをもらい、あっという間にお仕事開始です。

お仕事その1 ブリッティシュ航空のキャビンアテンダント

去年はパイロットに挑戦したので、今年はCAをやる!と女の子3人はCAの列へ。スペインきょうだいのお兄ちゃん2人はパイロットの列へ。

帽子がめっちゃ可愛い・・・!!

一通りトレーニングを終えた後、保護者は飛行機の中に入ってCAからのサービスを受けたり、アナウンスを聞いたりすることができます。

日本でANAのCAも経験した小さいさん、仕事内容も勝手知ったる感じになっていて、他の子供に話すタイミングを促したり微妙にベテラン風wパーサーかw

最後はカートを押して、うやうやしくフルーツなどのスナック(もちろんおもちゃ)を持ってきてくれました。

お仕事その2 外科医

「では、始めます」

ちびっこ外科医のみなさんで、なんと肝臓移植です。サックリ体を切って、素手で肝臓鷲掴み!w

お仕事その3 救急救命士

他のお友達はその後消防士の列に並びましたが、それはもう以前やったからいい、とマイペースに自分の好きなことをやる小さいさん。外科医の後はそのまま救急救命士もやってみることになりました。

消防士の働く火災現場に、救急車に乗って急行します。両手には、何か手動で使う呼吸器のようなものを捧げ持っている小さいさん。

火災現場では消防士が消火活動、警官が現場の警備にあたっています。怪我人の役の人でもいるのかな、と思ったら、そこらへんにいた保護者を捕まえて、なぜか腕をラップでぐるぐる巻きにし始める救急隊員達w

ロンドンキッザニアはこんな感じ。

お仕事その4 ファッションモデル

H&Mがスポンサーのお仕事。といってもファッションショーをするのではなく、吊るしてある子供服やアクセサリーの中から好きなものを選んで、自分で勝手に着替えていき、ポーズして写真を撮ってもらうというもの。

ヨーイドン!

ポシェットさげて、エクステつけて、シャツを着て、あんまりモードっぽくはなりませんでしたw

面白かったのは、今回やったお仕事のほとんどが報酬をもらうものだったのですが(ものによっては、こちらが参加費用を払うものもある)、その中でも支払われるキッゾ(キッザニアで使える仮想通貨)が一番多かったのが、外科医でも何でもなく、このファッションモデルでした。何か社会を反映してるんでしょうか・・・ね?

また小さいさんはその後暫く「H&Mでお買い物したい」と言い続け、すっかりそのマーケティング戦略にはまったようです。こういう所でスポンサーになるって、意外と効果あるもんなんですね。

お仕事その5 ホテルメイド

H&Mの隣にあった、ドーセットホテルでもついでにお仕事。中にレセプションデスクがあり、子供達はその奥の部屋に消えていってしまったので何をしてたのかは見えませんでした。

後で聞いたら、日本語を喋るお客さんがビデオに出てきて、ぐちゃぐちゃなホテルの部屋をみんなで片付けた、そうです。っていうか自分のぐちゃぐちゃな部屋をまずは片付けてくれww

お仕事その6 スーパーのレジ係

去年もやったスーパーのレジ係。今回はSちゃんと一緒にお客さんの購入したアイテムをチェックアウト。

お仕事その7 アイスクリーム工場

去年はチョコレート工場のお仕事をしてみたのですが、なぜかこちらがキッゾを支払わなければならず、またお仕事をした後にチョコレートをくれるわけでも無かったのでちとがっかり。チョコレート工場は避けたほうがいい!とみんなでアイスクリーム工場へ。ウォールズというユニリバー系列のアイスクリームメーカーです。イギリスでもビエネッタとか売ってるらしい。

ここではみんなで材料を混ぜ、凍らせたアイスクリームをスプーンで一口づつもらってました。

お仕事その8 ニュースキャスター

今回親的にはグッと来たのは最後にやった、ニュースキャスターのお仕事!ロンドンキッザニアでのスポンサーはBBCでもITVでもなく、アルジャジーラです。

お仕事はトレーニングも含めて30分と結構長丁場。画面の切り替えをするスタッフとニュースアンカーの仕事に別れます。カンペを読めなそうな小さな女の子が裏方仕事をすることに。

クロマキー!!

小さいさんと、もう一人の女の子がアンカー役、もう一人の男の子がスポーツとお天気お兄さんで出演です。ちゃんとニュースの音楽がなり、キッザニアで起きたニュースを読み上げていきます・・って、ずいぶん2人ともたどたどしかったけどw

最初のニュースはキッザニアで起きた火事のニュース。目撃者をゲストにして何が起きたかお話願っていますw

 でもちゃんとした編集、ちゃんとした音や映像を使うもんで、見ている親としてはウッヒャー!となかなか感動ものでした。残念ながら放送した内容は録画で貰ったりはできないんですが、ビデオ撮影OKでした。

お仕事終了!!

というわけで、今回はほぼ全てのお仕事でお金を稼ぎ、随分お金持ちになった小さいさん!他のお仕事をしていたお友達と合流して、最後はショッピング。

 キッザニアの面白いところは、キッゾで買える商品がかなり高額な割にしょぼいことなんですが、今回も高いキッゾを出して小さいさんはガラクタを2つお買い求めになりました。

ロンドンキッザニア、だいぶ良くなっていた!

去年はオープンしたてだったからか、手際の悪さやテンションの低さなどが目についたロンドンキッザニアですが、1年たってからの再訪で、結構改善されているように思えました。

チケットブースにいたお兄さんや、アルジャジーラを担当していたお兄さんなどは特に、子供が喜びそうな手品やトリックを知っているなど、去年のテンション低いスタッフに比べて、子供のツボを押さえているような感じの人がぼちぼち見受けられました。

火災現場でも、ただ行って消火するだけでなく、スタッフのお姉さんが声が枯れるんではないかという大熱演で、爆発するー!伏せろー!と臨場感たっぷりに演技していたり(ロンドンの火災現場は小規模の爆発が起きます)。

前回のようにダラダラ待たされることもなく、充実したお仕事8つこなすことが出来ました。

出口のところにアンケートもあったのですが「他のキッザニアに行ったことがありますか?そこと比べてロンドンはどうですか」なんて項目もあったり、色々改善しようと努力してるっぽい。

そういえば今年、東京のキッザニアに行った時も、外国人の関係者みたいな人達がノート持って視察に来ていたな〜。

一緒に行ったお友達も大満足だったロンドンキッザニア、また行く機会があるといいな。

 

 

乙女が密告する話

アメリカの図書館の日本語本を読むシリーズ。普段あまり小説を読みつけないので、直木賞芥川賞の違いもよく分かっていないが、「感動の芥川賞受賞作(2010年)」を読んでみた。もしかしたら、芥川賞作品を読んだのはこれが初めてかもしれない。あ、花火は読んだか。

乙女の密告

乙女の密告

ある外国語大学で流れた教授と女学生にまつわる黒い噂。乙女達が騒然とするなか、みか子はスピーチコンテストの課題『アンネの日記』のドイツ語のテキストの暗記に懸命になる。そこには、少女時代に読んだときは気づかなかったアンネの心の叫びが記されていた。やがて噂の真相も明らかとなり……。悲劇の少女アンネ・フランクと現代女性の奇跡の邂逅を描く、感動の芥川賞受賞作。(Amazonより) 

関西の外大のドイツ語学科が舞台。そこに登場する女子大生達は、はっきりした意味はよくわからないけれど「乙女」であり、みんなで必死に「アンネの日記」を暗記している。そしてエキセントリックなドイツ人の教授は、まるでのだめのミルヒー風。設定が全て少女漫画っぽい。

思春期の女の子の中で「アンネの日記」の立ち位置って一種独特な感じがする。これって日本だけなんだろうか。私も小学生の時初めて読んで色々衝撃だったし、設定や状況や内容やその悲劇的な最後など、多感すぎてどうしようもない青少年がひっそりこっそりはまってしまうような要素がありすぎる。

アンネの日記」を読んで日記を書き始めた人もいるかもしれない(ハイ私です)。

何でも昔は生理の日のことを「アンネの日」と呼んでいたそうだ。これは昭和30年代に売り出された初めての生理用品の名前がアンネ・フランクにちなんで「アンネナプキン」だったからだそうだ。

私が子供の時に「アンネの日なの」なんて言う人は既にいなかったけど、そんな昔から生理用品という「女の子の秘密」的アイテムにアンネという名前がつけられたところからして、もう随分ながいこと、アンネという名前に何か思春期のシンボルとして昇華された何かがくっついてきちゃっているんだなあという感じがする。

これって日本だけなのかなあ。

私も小学生の時には一生懸命読んでいたが、自分の年齢がアンネ・フランクを超えてからその興味は急速にしぼんでいった。学生時代オランダに行った時に隠れ家も見に行ったが、自分でも驚くほどパーソナルな感慨は覚えず、歴史的事実として受け止めるばかりで、淡々と家の中を見て回り、展示物を見て帰ってきた。あの覚めた感覚はなんだったんだろう。

数年前に実家にあった「アンネの日記」をもう一度読んでみたら、今度は親の視点で読んでいたようで、戦争中で迫害されたユダヤ人で隠れ家暮らしという特殊な環境にあることをのぞけば、その大部分が中学生の女の子が親(特に母親)に対してキーキー言ったり、世の中や人生について、現実と想像をロマンチックに膨らませて、あの年齢独特の雄弁さで語りまくっている(これを厨二病っていうの?)普通の女の子の日記だということに気がついて、苦笑してしまった。

自分の娘はまだ6歳だけれど、こっちにとってはちっちゃなことでも、本人にとってはオオゴトで、悲劇のヒロインのようにワーワー泣いたりすることがある。それでつい、子供だなあ、可愛いなあと笑ってしまうのだが、アンネの日記の中でも、かなり似たようなシチュエーションで母親に笑われプライドを傷つけられたアンネが、烈火の如く怒りまくり、ものすごい勢いで母親をディスりまくったりしている。

というわけで、娘を持つ親となった現在の自分にとって「アンネの日記」は、自分も思春期の時そうだったからわかる、わかるけど、今の年齢では100%共感できない、ちょっと生意気な子供の日記、に変わっていて、ちょっとビックリした。

自分の中でアンネの日記の立ち位置が変わっていったからか、「乙女の密告」はもう20歳も過ぎているであろう女子大生が、今だにアンネの日記を読んで心の旅をしちゃってるのか〜、というところが自分の中では一番引っかかったかも。

とはいっても作品紹介にあるように、彼女達も少女時代に読んだ時とは違う面に気づいた、という話にはなっているんだけれど。

ただ変わった設定の大学(こういうのを学園モノというんだろうか)の中で起こる、些細(?)な出来事の渦中にいる自分と、アンネの日記の内容をダブらせちゃうのはあまりにも少女漫画的じゃないかな〜とも思ったが、小説や文章って、読み手の年齢や環境や経験に合わせて、受け止められ方も変わっていくから、「アンネの日記」も読み手の腕次第でどうにでもとられていく、そんな話だったかもしれない。

私もあと何年かたって、今流動的で不安要素が多い世の中と当時のことを重ね合わせて「アンネの日記」を読めば、また違った感想を持つことでしょう。

しかしもしかして「純文学」は「純情文学」でもあるのかいな。

赤川次郎まつり

 ベイエリアの片隅の小さな図書館にある日本語蔵書を読み漁るシリーズ。ずどーんと安部公房祭りの後は、赤川次郎が来ました。阿部の次が赤川なのは、ABC順だからです!

ネガティヴ (集英社文庫)

ネガティヴ (集英社文庫)

 

 

湖畔のテラス (集英社文庫)

湖畔のテラス (集英社文庫)

 

 

十字路 (角川文庫)

十字路 (角川文庫)

 

 赤川次郎といえば、子供の頃いつも祖母に連れて行かれていた宝塚で「名探偵はひとりぼっち」という彼原作の舞台を見たのが最初かもしれない。見たのが小学生低学年だったので詳細は覚えてないけど、舞台がアメリカで、ロックンロールみたいな感じのお兄ちゃんがナタリーというこれまた少女漫画のようなくるくる巻き毛の謎の女の子と偽の駆け落ちをしていたような話だった。なかなか楽しかった。

中学時代には「三毛猫ホームズ」シリーズを一生懸命読んでいたなぁ。といっても自分で買ったことはなく、授業中に友達から回ってくるのを、毎回教科書に隠しながらものすごい集中力で読み漁っていた。だいたい授業一コマと、その後の休み時間ぐらいを使えば1冊読み終わる感じで、毎度授業そっちのけで本読んでたな。

しかしあれだけ一生懸命読んでいたのに、三毛猫ホームズというタイトルは覚えていても、そこにそういう猫が登場していたのかどうか、猫が事件を解決する話だったかどうか、内容をいっこも覚えていない。

久しぶりに読んだ赤川次郎も、スナックのように手軽にサクサク読めてしまい、子供が寝静まった後3時間程で借りた3冊全部読み終わってしまった。そしてずどーん昭和!!エログロー!(ちょっと違うけど)を連想させる安部公房インパクトの後では、あれだけ冊数読んだのに、読後驚くほど全く何も残らなかった。ははは。

残ったとすれば、何となく懐かしい80年代の大人の世界にタイムスリップできた感だろうか。懐かしいとはいっても、バブルの時代子供だった私にとっては、あの時代に大人だったらどうだったんだろうなあ、楽しかったんだろうなあ、と多少羨ましくも感じる。

恋人の助けを借りながら自力で殺人事件を解決しようとしたり、キャリアウーマンの主人公に、まるで助手か何かのように言われるがままにどこにでもついてくる若い部下の存在など、いかにも80年代っぽい。夜に母がお茶を飲みながら見ていたサスペンス劇場の設定そのまんまなのが懐かしい。

そして、赤川次郎というと七三分けの30代〜40代の作家、というイメージだったのに実は自分の親と同年代で、随分丸顔の60代になっていたことにショーック!やはり親世代の人が書く大人像は、80年代風を軸としているのか、私の勝手な思い込みか。

何も残りはしないけれど、読んでいる間は楽しい。これがまさしく、純文学の逆をいく大衆娯楽小説というものなのかいな。 

安部公房まつり

図書館にある本を手当たり次第読んで見るシリーズ、安部公房

思えば「純文学」って一番読まないジャンルであり、「純文学」とは一体何なんだろうと考えずに今までいたけれど、Wikipediaによれば「大衆小説に対して、大衆性より芸術性に重きを置いたもの」なんだそうだ。

娯楽性よりも芸術性。芸術性ってなんだ。

人間とは!人生とは!うわぁぁぁぁ!って感じの話とか、フォーマットをぐちゃぐちゃにしてみるとか、 内容はともかく文章の美しさに重点をおけば純文学になるのかしらん。

Wikipediaでは村上春樹吉本ばななも「純文学」のカテゴリーに入っていましたがな。いや、Wikipediaの情報を鵜呑みにするのもいかんのかもしれません。

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 

 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。読売文学賞受賞作。(Amazonより)

 「砂の女」は実家にあったか学校の図書館で借りたか、学生の時に読んだ記憶があったが、何故か蟻地獄の底に住んでいる蜘蛛女みたいな人にずるずる引きずり込まれる話だという変な記憶違いを起こしていた。

まあ多少そういう面もなきにしもあらずだけれど、全然違った。

変な話ではあるけれど、ブラック企業しかり、人生しかり、世の中しかり、おかしいと思いつつもいろんな感情や状況にかきまわされつつ、どんどん諦めの境地に入ってそれを受け入れてしまうという点では、概念的には結構あるある話かもしれない。

しかしー昭和の集落って怖いー。村のしきたり、村の掟系の話こわいー。こんなところ本当にあったらいやだー

燃えつきた地図 (新潮文庫)

燃えつきた地図 (新潮文庫)

 

失踪者を追跡しているうちに、次々と手がかりを失い、大都会の砂漠の中で次第に自分を見失ってゆく興信所員。都会人の孤独と不安。(Amazonより)

Amazonの説明文が簡潔すぎてアレであったが、まあだいたいそういう話だった。夫が失踪したと半年後に依頼してくる女とその弟、でもなんだか必死で探す感じもなく、話もぼんやりしている。それを興信所員が一生懸命探すのだけれど、暫くはなんだか普通のミステリー小説っぽい。が途中でだんだん展開が神経症的になってきて、ああ純文学って結局はこうなるのね、ちっ。

待ち人やうせ人を巡って残された人がてんやわんやの大騒ぎ、というのは小説のフォーマットとしてはかなり定型なんだろうか。でも結局はその消えた人よりも残されて右往左往している人達の心象が浮き彫りになっていき、行方不明になっている人の行方なぞ最後はどうでもよくなってくる。

全然関係ないが、当時は喫茶店でコーヒー一杯80円だったんだとか、立ち飲み屋にあるおつまみ自動販売機は本当にあったものなのか気になってしまった。

安部公房は今回3冊読んでみて、「箱男」を最初に読んだものだからうわーこれは苦手な感じかもしらん・・と思ったが、意外と3冊ともそれぞれ感じが違って、最後はそれほどあかんようには思わなくなった。実際この「燃えつきた地図」が一番流れが普通で分かりやすく見せかけておいて、最後はえ〜、そうくるの・・と一番納得いかなかったかもしれない。

「純文学」さんということで、どうしても精神的・神経的な感じに話は進んでいくが、実際はどの話も、ニュースや実際に起こった話にヒントやきっかけを得て書かれているそうで、そいうところは全く非現実的なところから端を発した話ではないんだな、という所は面白かった。

どの作品についても、作家本人が色々とこの話が何を表しているのか語っているが、人間とは・・人生とは・・・ということについて、どうも社会科学的政治的面で考えることに興味はあっても、心理学的哲学的に考えることに慣れていないせいか、うーんよくわからん、ここまで考え詰めていたらしんどいやろうなあ、と思ってしまう。もう少し齢をとったらわかるかもしれません、こればかりは。

ちょっと笑ってしまったのは、どの小説でも登場人物が性的なフィジカルコンタクトを始めようという時に必ず最初に相手を「くすぐる」。これは作者のお決まりの手だったんでしょうか。ははは。 

 

ロンドンコスプレクリスマス祭り:ディッケンズクリスマスフェアー

感謝祭も終わり、あっという間にクリスマスツリーが部屋に飾られた週末、思い立ってディッケンズクリスマスフェアーに行ってきました。

毎年この季節になると、サンフランシスコの南にあるカウパレスというでっかいイベント会場が、チャールズ・ディケンズの時代、ビクトリア朝時代のロンドンに早変わりします。

当時の衣装を来た人達(スタッフ、一般の客を含む)が当時にタイムスリップしたつもりでクリスマスマーケットで買い物したり、パフォーマンスを見たりすることができるイベントです。いわば季節限定日光江戸村イギリス版といったところでしょうか?!

実は3年前、このイベントに衣装を着てパフォーマーとして参加しました。その時はフルート吹いたのですが、今回は純粋に客として楽しんできました。3年前の様子はこちら。

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3年前は、昔っぽい衣装がなんだかとっても窮屈でしたが今年は現代人の格好で参加です。行ったのがまだ11月だったせいか、それほど混んでおらず。チケットも大人が30ドル位とちょっと高めなのですが、日曜日は子供が無料でした。

 会場に入ると「ロンドンへようこそ!」と当時の格好をした人が迎えてくれます。皆さん一生懸命、ブリティッシュアクセント風の話し方をしてるんですが、やっぱりなんかちょっと微妙かも(苦笑)

大きな会場では、音楽や劇が見られる舞台(フレンチカンカンの舞台はちょっと大人向けなので子供は入れない)や、パブや食べ物の屋台、そして色々なお店が並んでいます。

入り口近くのパフォーマンス会場では、リバーダンスみたいな踊りをやっていました。3年前は会場のいろんな場所で3ステージやったけれど、ここでも演奏したな。

出店しているお店や、会場のセットもほぼ全部3年前とおんなじでした。これはバイオリン屋さん。1万円ぐらいからの楽器を売っていました。

郵便局。ここから手紙を送れるのかは確認しなかったけれど、横に電報を受け付けてくれるところがあります。電報といっても、会場にいる人に伝言を残すようなシステムで、電報係の人が会場中を歩き回って、「○○さんに電報が来てますよ!!」と叫んで知らせます。

こんな感じで、偽イギリスの世界が広がっています。昔の格好をした人と、現代の格好をした人達も入り混じってなんだか混沌とした感じ。このフェアーのキャストの人もいますが、結構歴史コスプレ愛好者はアメリカに多いので、一般のお客さんも衣装を着込んでやってきます。

当時の服装に関しては、性別、階級、職業や年齢によって本当に色々細かい決まりがあるんですが、中には昔の軍服を着た人、煙突掃除のキタナイ格好をして、本当にちょっと浮浪者風に人に話しかけてくる人、時代に忠実というよりはスチームパンク風の格好をしている人、昔っぽいドレスなんだけど、足やら何やら丸出しで、当時この格好で外を歩いていたらほぼ全裸同様だよ・・と思うような破廉恥な?格好をしている人も。

本屋さん。売っている本がことごとく古かった・・。娘が「本屋さんで本が見たい!」と言うのを聞きつけた通りがかりのコスプレの人が、「まあなんて可愛い、耳に心地よい物言いでしょう!」みたいな風に話しかけてきて、子供がビビっておりました(笑)

こちらはディッケンズ本のコーナー。

ダーツを投げて、風船を割ると、ピタゴラスイッチみたいな感じの機械仕掛けのセットが汽車を走らせたりボールが転がり落ちたりして、最後に景品の飴ちゃんをコトっと落としてくれるゲーム。

こちらはパブでカードゲームをする人達。一般のお客さんです。

前にも書いたけど、現代の服を着てるより、昔の格好してるほうが随分似合ってる人がたくさんいます。

こちらは似顔絵を描いてもらう現代人。

前回の教訓として、食べ物ブースに早く並ばないと、食べたいものが売り切れになっちゃう!というのがあったので、早めのお昼にしました。こちらはテーブルサービスで食べられるイギリス料理のサンプル。

我が家のお目当てはこれです、バンガーズ&マッシュ。

ソーセージと、グレービーのかかったマッシュポテト、お豆などがついてきます。そしてその下にあるのは、旦那が買ってきたハギス。えーっと羊の臓物の詰め物みたいなやつです。スコットランドの料理。

そしてこちらはミートパイ。どれもヘビーですが、寒い日にはこういうのがやっぱり食べたくなりますねぇ・・・。

食べている間にも、キャストの人達がやってきて会場のあちこちで何やら寸劇をやったりしています。この人はGin is Sinという看板を掲げて、多分アルコール飲むな運動をやってるみたいです。その後別の労働者達がやって来て口論が始まったりしていましたが、あまりの喧騒に何言ってるのか全然わからなかった・・。

 現代でも使えるクリスマスの装飾や

何世代も続いているという帽子屋や

印刷所では紙袋にロゴをプリントしていました。このおじさんの自前の髪がいい味だしてます・・

オリバー・ツイストの世界を模したエリアはちょっとスラム街風になっています。ここでは「とても恐ろしいパペットショー」をやっていました。

怖い警官に捕まる孤児。

実際にオリバー・ツイストの寸劇をここでもやっていました。ぼーっと前のベンチに座っていたら、横に座っていた当時の格好をしたおばさんが聞いてもないのに「あの子の名前はオリバー・ツイストというらしいわよ」みたいなことを教えてくれました・・。そう説明するような役割なんでしょうかね・・。

別のステージではクリスマスキャロルの劇もやっていました。この劇の前にも、スクルージと幽霊が会場をうろうろ歩いておりましたw

 この他にもいろんな音楽のパフォーマンスやら

トルココーヒーやら

 当時の格好をしてご飯を食べている一団やら

人力でうごくメリーゴーランドやら 

子供用ゲームやら

さっきは上流階級風の皆さんがお食事していましたが、こっちは庶民のお食事風景。旦那がジロジロ見ていたら「何見てやがるんでぇ!」みたいなことを言われてたw役にはまりすぎw

ジプシーの踊りやら、なんだか色々堪能しました

満足して帰ろうと思ったら、「これから女王様がいらっしゃいます」とのこと、向こうのほうに兵隊さんが

小さいさん、ビクトリア女王にお会いしましたwなんか知らんが黒髪を褒められてたよ。

 最後は女王様とニッコリ一緒に「フォトグラフィー」を撮らせて頂いて帰ってきましたw

去年今年と夏はロンドンで過ごしたせいか、Brexitのほうがトランプよりなんぼかましに思えてくるからか、またロンドンに行きたいよねぇ・・・とよく話している陳家。まあとりあえずはこんな偽ロンドンで我慢です。

 このイベント、来週末12月18日までやってます。興味のある方はぜひ〜。

dickensfair.com